平成の時代に入ると、800型の車体更新による8000型の登場や、2000型、3000型といった新車の導入も進められ、車輌関係では明るい話題が続きました。一方、経営の合理化も進められ、1992年(平成4年)3月末で東雲線(松風町−宝来町間)が廃止となり、翌年3月末で本線の一部(函館駅前−ガス会社前間)と宮前線(ガス会社前−五稜郭公園前間)(注)が廃止になる等、営業路線面では悲しい話題もありました。この新型車の導入と、営業路線の縮小の為、経過年数の大きい500型が余剰と判断され、多くが廃車となりました。新しい車輌が誕生する一方、長年にわたり活躍してきた車輌が廃車で去っていく事は、誠に寂しいかぎりです。
(注)この本線の一部+宮前線は、通称「ガス会社回り線」ともよばれていました。
西暦年 |
和暦年 |
増減・改番等 |
在籍車両番号 |
台数 |
備考 |
1989
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平成
元
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4月〜12月迄
【減車】1両
803
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501(国鉄更新)..1両
509(カラオケ号)..1両
510〜517,
519〜523,
525〜530(日本車輌製)19両
711(国鉄更新)..1両
712,715,716,
718〜724(新潟鉄工所)10両
801,802
804〜812(新潟鉄工所)11両
1006〜1008(都電)3両
雪1(九州車)..1両
雪2(成田車)..1両
雪3〜6(ヨヘロ車)..4両
花1〜3(旧300型)..3両
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55
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車体更新後、新しい型式8000型にすべく、803が廃車の扱いとなった。
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1990
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平成
2
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1月〜3月迄
【増車】1両
3月
8001(旧803)
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501(国鉄更新)..1両
509(カラオケ号)..1両
510〜517,
519〜523,
525〜530(日本車輌製)19両
711(国鉄更新)..1両
712,715,716,
718〜724(新潟鉄工所)10両
801,802
804〜812(新潟鉄工所)11両
1006〜1008(都電)3両
8001(アルナ更新)1両
雪1(九州車)..1両
雪2(成田車)..1両
雪3〜6(ヨヘロ車)..4両
花1〜3(旧300型)..3両
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56
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3月に新しい型式車輌の8000型8001が誕生した。
平成元年度の鉄道統計は、47+9両。
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1990
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平成
2
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4月〜12月迄
【減車】1両
808
【増車】1両
12月
8002(旧808)
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501(国鉄更新)..1両
509(カラオケ号)..1両
510〜517,
519〜523,
525〜530(日本車輌製)19両
711(国鉄更新)..1両
712,715,716,
718〜724(新潟鉄工所)10両
801,802,
804〜807,
809〜812(新潟鉄工所)10両
1006〜1008(都電)3両
8001,8002(アルナ更新)2両
雪1(九州車)..1両
雪2(成田車)..1両
雪3〜6(ヨヘロ車)..4両
花1〜3(旧300型)..3両
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56
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8000型にすべく、808が廃車の扱いとなった。車体更新後の8002は12月22日より就役した。
平成2年度の鉄道統計は、前年と同様47+9両。
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1991
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平成
3
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1月〜3月迄
【減車】4両
804
4月30日届出
510,511,512
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501(国鉄更新)..1両
509(カラオケ号)..1両
513〜517,
519〜523,
525〜530(日本車輌製)16両
711(国鉄更新)..1両
712,715,716,
718〜724(新潟鉄工所)10両
801,802,805〜807,
809〜812(新潟鉄工所)9両
1006〜1008(都電)3両
8001,8002(アルナ更新)2両
雪1(九州車)..1両
雪2(成田車)..1両
雪3〜6(ヨヘロ車)..4両
花1〜3(旧300型)..3両
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52
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8000型にすべく、804が廃車の扱いとなった。
510〜512は余剰と判断され廃車となった。
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1992
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平成
4
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1月〜3月迄
【増車】1両
2月
8003(旧804)
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501(国鉄更新)..1両
509(カラオケ号)..1両
513〜517,
519〜523,
525〜530(日本車輌製)16両
711(国鉄更新)..1両
712,715,716,
718〜724(新潟鉄工所)10両
801,802,805〜807,
809〜812(新潟鉄工所)9両
1006〜1008(都電)3両
8001,8002
8003(アルナ更新)3両
雪1(九州車)..1両
雪2(成田車)..1両
雪3〜6(ヨヘロ車)..4両
花1〜3(旧300型)..3両
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53
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車体更新車8003は、2月16日に就役した。
平成3年度の鉄道統計は44+9両。
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1992
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平成
4
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4月〜12月迄
【減車】4両
801
9月30日届出
513,514,515
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501(国鉄更新)..1両
509(カラオケ号)..1両
516,517,
519〜523,
525〜530(日本車輌製)13両
711(国鉄更新)..1両
712,715,716,
718〜724(新潟鉄工所)10両
802,805〜807,
809〜812(新潟鉄工所)8両
1006〜1008(都電)3両
8001〜8003(アルナ更新)3両
雪1(九州車)..1両
雪2(成田車)..1両
雪3〜6(ヨヘロ車)..4両
花1〜3(旧300型)..3両
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49
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8000型にすべく、801が廃車の扱いとなった。
513〜515は余剰と判断され廃車となった。
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1993
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平成
5
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1月〜3月迄
【増車】3両
1月
8004(旧801)
3月
2001,3001
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501(国鉄更新)..1両
509(カラオケ号)..1両
516,517,
519〜523,
525〜530(日本車輌製)13両
711(国鉄更新)..1両
712,715,716,
718〜724(新潟鉄工所)10両
802,805〜807,
809〜812(新潟鉄工所)8両
1006〜1008(都電)3両
2001(アルナ工機)1両
3001(アルナ工機)1両
8001〜8003,
8004(アルナ更新)4両
雪1(九州車)..1両
雪2(成田車)..1両
雪3〜6(ヨヘロ車)..4両
花1〜3(旧300型)..3両
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52
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車体更新車8004は、1月14日に就役した。
27年ぶりに新造車が増えた(2001,3001)。
811,812が就役した後、中古車や車体更新車は増えてはいたものの、新造車は途絶えていた。
平成4年度の鉄道統計は43+9両。
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1993
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平成
5
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4月〜12月迄
【増車】1両
5月
39
【減車】9両
雪2,802
4月1日届出
516,517,519,
520,521
5月15日届出
522,523
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39(札幌交通機械)1両
501(国鉄更新)..1両
509(カラオケ号)..1両
525〜530(日本車輌製)6両
711(国鉄更新)..1両
712,715,716,
718〜724(新潟鉄工所)10両
805〜807,
809〜812(新潟鉄工所)7両
1006〜1008(都電)3両
2001(アルナ工機)1両
3001(アルナ工機)1両
8001〜8004(アルナ更新)4両
雪1(九州車)..1両
雪3〜6(ヨヘロ車)..4両
花1〜3(旧300型)..3両
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44
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8000型にすべく、802が廃車の扱いとなった。
「ガス会社回り線」が3月末で廃止となり、余剰と判断された500型5両が4月1日付で廃車となった。
さらに5月15日付で500型が2両廃車。これは2001と3001の導入による世代交代の為。
雪2号を改造した「箱館ハイカラ號」が5月31日に竣功。8月1日より運行開始。
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1994
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平成
6
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1月〜3月迄
【増車】3両
3月31日付
2002,3002,
8005(旧802)
【減車】2両
3月31日届出
525,712
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39(札幌交通機械)1両
501(国鉄更新)..1両
509(カラオケ号)..1両
526〜530(日本車輌製)5両
711(国鉄更新)..1両
715,716,
718〜724(新潟鉄工所)9両
805〜807,
809〜812(新潟鉄工所)7両
1006〜1008(都電)3両
2001,2002
(アルナ工機)2両
3001,3002
(アルナ工機)2両
8001〜8004,8005
(アルナ更新)5両
雪1(九州車)..1両
雪3〜6(ヨヘロ車)..4両
花1〜3(旧300型)..3両
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45
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前年度に引き続き、2000型と3000型が各1両増車。8000型8005も同日就役した。
その影で525と712が廃車となったことは悲しい。
525と712は2002,3002と世代交代の為に廃車。側面に行先方向幕が無かった初期型タイプの710型はこの時点で全て無くなった。
平成5年度の鉄道統計は37+8両。
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■参考文献
●『鉄道統計年報』(平成元年〜5年)−運輸省鉄道局
●『新車年鑑』(1990年〜1994年)
−「鉄道ピクトリアル」誌(各年の10月臨時増刊)
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