広軌T型29号は、長い間、非公開の状態で保管されていました。
長い間、京都・梅小路公園の山陰線高架下の倉庫で、他の6両の市電と一緒に保管されていました。
7両の京都市電は、505号、703号、890号、935号、1605号、2001号、広軌T型29号です。
7両の市電は、2013年8月27日〜29日の3日間で、地下鉄竹田車庫へ移送されました。
移送された後、整備を受けてきれいな姿になりました。
2014年1月27日〜30日、整備を受けた車両は、地下鉄竹田車庫を出発し、梅小路公園へ向かいました。
平成26年(2014年)3月8日、梅小路公園内に「市電ひろば」と「すざくゆめ広場」がオープンしました。
長い間、非公開だった7両は、梅小路公園内で一般公開されることとなりました。
狭軌T型(N電、軌間1067mm)の電車は、比較的多く残されていますが、
広軌T型(軌間1435mm)の電車で現存するのは、29号1両だけです。
狭軌T型は、「ブリル21E」という台車が使用されていますが、
広軌T型29号には、英国製の「マウンテン・ギブソン21EM」という台車が使用されています。
日本国内で、完全な形で現存する「マウンテン・ギブソン21EM」台車は、この29号のものだけだと思われます。
箱館ハイカラ號は、ルーツを辿れば、明治43年(1910年)に、天野工場(後の「日本車輌製造東京支店」)で製作されました。
広軌T型29号は、明治45年(1912年)5月に、同じ天野工場で製作されています。
箱館ハイカラ號が、千葉県成田市から函館にやってきた当時は、「マウンテン・ギブソン21EM」台車が使われていました。
現在の、箱館ハイカラ號の台車は、「ブリル21E」に変更されています。
『電車道』様、多田様のご好意で、広軌T型29号の写真を使用させていただきました。
ありがとうございます。
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