広島の路面電車[1]
広島電鉄 2006年6月  輸送人員と路線延長が日本一の路面電車

広島電鉄株式会社は、広島市で路面電車を運営している会社です。

会社は、1910年(明治43年)6月18日に設立されました(広島電気軌道株式会社) 。
開業は、1912年(大正元年)11月23日で、
広島駅〜相生橋(現・原爆ドーム前)間、紙屋町〜御幸橋間、八丁堀〜白島間から始まりました。

1917年(大正6年)8月2日には、広島瓦斯株式会社(現在の広島ガス)と合併し、
広島瓦斯電軌株式会社となりました。

1942年(昭和17年)4月10日には、広島瓦斯電軌から運輸事業が分離されて、
現在の広島電鉄株式会社が設立されました。


路線は、軌道線(市内線)が6路線です。
鉄道線(宮島線)は、隣の廿日市市(はつかいちし)・宮島口までを結ぶ路線が1路線です。
軌道線と鉄道線の合計で35.1kmになっています。
軌間(レールの幅)は、1435mmです。

・本線 広島駅 〜 広電西広島間 5.5km
・宇品線 紙屋町 〜 広島港間 5.7km
・江波線 土橋 〜 江波間 2.6km
・横河線 十日市町 〜 横川駅間 1.4km
・皆実線 的場町 〜 皆実町六丁目間 2.5km
・白島線 白島 〜 八丁堀間 1.2km
・宮島線(鉄道線)広電西広島 〜 広電宮島口間 16.1km

広島電鉄 路線図
広島電鉄路線図 あみでん様作成 広島電鉄路線図.gif


電車の運行は、上記の路線単位ではなく、営業用に設けられた系統単位で行われています。 系統は、1系統、2系統ではなく、1号線、2号線のように「○号線」の名称で呼ばれています。

運転系統は、1〜3号線、5〜9号線の8系統になります。この他、臨時や訓練車等で「0号線」表示が使われることがあります。

・1号線 広島駅 〜(紙屋町東)〜 広島港

・2号線 広島駅 〜(八丁堀・広電西広島)〜 広電宮島口

・3号線 広電西広島 〜(紙屋町西)〜 宇品二丁目
(早朝時間帯のみ、宇品二丁目 〜 広島港間も運行)

・5号線 広島駅 〜(比治山下・皆実町六丁目)〜 広島港

・6号線 広島駅 〜(八丁堀・土橋)〜 江波

・7号線 横川駅 〜(十日市町・紙屋町西)〜 広電本社前

・8号線 横川駅 〜(十日市町・土橋)〜 江波

・9号線 江波 〜(土橋)〜 八丁堀 〜 白島
(江波 〜(土橋)〜 八丁堀間は、平日7往復、休日は6往復運行)


広島電鉄 系統図
広島電鉄 系統図 Hisagi(氷鷺)様作成 Hiroshima_Electric_Railway_map.png


観光などで、電車の乗り降りがたくさんある場合には、「電車1日乗車券」がお得で便利です。
大人600円(子供300円)で、1日中乗り放題、乗り降り自由です。

広島市内から宮島に行く場合は、「一日乗車乗船券」がお得で便利です。
大人840円(子供420円)で、1日中乗り放題、乗り降り自由です。

電車の車内でも購入できます。
販売所等の詳細については、広島電鉄株式会社のホームページでご確認ください。


運賃ですが、市内線は160円均一(小児80円)です。
ただし、白島線(白島 〜 八丁堀間)だけの利用なら、110円均一 (小児60円)です。

宮島線(鉄道線)については、距離に応じて料金が変わります
(120円〜210円、市内線に乗り入れ時は50円加算、小児は半額)。

市内線は、1997(平成9)年11月1日より、長い間150円の均一料金でしたが、消費税の増税に伴い、2014(平成26年)4月1日より、 160円均一となりました。

年間輸送人員は約5500万人(市内線 : 3780万8000人、宮島線 : 1719万3000人)で、軌道線と鉄道線を合わせた輸送人員と路線延長は、路面電車では日本一となっています(2013年現在)。

近代的なLRVだけでなく、かつて神戸市電、京都市電、大阪市電、西日本鉄道で活躍した車両も走っており、「動く電車の博物館」、「路面電車王国」とも呼ばれています。


2006年(平成18年)6月に撮影した古い写真ですが、ご紹介いたします。

JR西日本 広島B-02編成 クハ103-37
JR西日本・広島駅で見かけた広島B-02編成 クハ103-37。
残念ながら2009年2月に廃車となったそうです。












車番 製造年 製造メーカー 備 考
353号 1958年
(昭和33年)
ナニワ工機 350形は、宮島線と市内線との直通運転を目的として作られました。
広島電鉄では、唯一の間接非自動制御車です。
現在では、宮島線には入線せず、市内線用として運用されています。
市内線の運転士養成時に、訓練車として使われることもあります。
製造当時は851〜853号でしたが、1971年(昭和46年)に、
350形(351〜353号)に改番されました。
706号 1983年
(昭和58年)
アルナ工機 初代の700形は、1980年までに廃車になりました。
現在の700形は1982年(昭和57年)以降に登場した2代目になります。
701〜704号は1982年(昭和57年)、705〜707号は1983年(昭和58年)、
711〜714号は、1985年(昭和60年)に製造されました。
仕様が大きく変わった関係で、707号の次は710番台の711号になりました。
708〜710は欠番です。
810号 1992年
(平成4年)
アルナ工機 初代の800形は、1983年までに廃車になりました。
現在の800形は1983年(昭和58年)以降に登場した2代目になります。
801,802号は1983年(昭和58年)、803,804号は1987年(昭和62年)、
805〜808号は、1990年(平成2年)に製造されました。
809〜812号は、1992年(平成4年)、813,814号は、1997年(平成9年)に
製造されました。
1901号
1906号
1957年
(昭和32年)
ナニワ工機 京都市電の廃止に伴い、京都から譲り受けた1900形です。
広島でも同じ1900形となりましたが、改番されています。
1901号は、京都時代は1916号、1906号は、京都時代は1920号でした。
京都から譲り受けた車両は全部で15両です。
改番後の1901〜1911号はナニワ工機、1912〜1914号は東洋工機、
1915号は日本車輌製造で作られています。
3953号 1998年
(平成10年)
アルナ工機 3車体4台車の連接車両です。3951,3952号は、1997年(平成9年)、
3953〜3956号は1998年(平成10年)に製造されました。
製造当初は、宮島線内で高速運転すると、強い横揺れが生ずる問題が
生じていました。 その後、台車の改良により、問題は解消しています。
台車は、住友金属製FS87AM、連接部はFS87ATを使用しています。
愛称は、「Green Liner」(グリーンライナー)です。
5005号 2001年
(平成13年)
シーメンス ドイツのシーメンス社で12編成が製造されました。
5車体3台車の連接車両です。
5001〜5004号は1999年(平成11年)、
5005〜5008号は2001年(平成13年)、
5009〜5012号は2002年(平成14年)の製造です。
愛称は、「GREEN MOVER」(グリーンムーバー)です。
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(2014年10月12日掲載)


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