日本の路面電車−営業キロ数と利用者数

東京新聞 2011年2月13日『世界の路面電車』の記事をもとに作成しています。

ピーク時の1932年には、全国67の都市で83の事業者が路面電車を運行していました。
その当時の路線延長は、1,479kmにものぼりました。

2011年の時点では、17都市19事業者、路線延長はおよそ238km(237.7km)ほどになっています。

日本の場合、路面電車とは、「軌道法」という法律に基づいて運営されている運送機関をいいます。

「鉄道事業法」という法律に基づいて運営されている次の運送機関は、
上記の路線延長(およそ238km)には含んでいません。

 ●江ノ島電鉄(神奈川県藤沢市) 10.0km
 ●筑豊電気鉄道(福岡県中間市) 16.0km
 ●広島電鉄宮島線(広島市) 16.1km

「軌道法」によらず、道路上に敷設された併用軌道を走行する電車という観点、
或いは、路面電車と同じタイプの車両を使用しているという観点から、
上記の3つも含めて、路面電車と考える場合もあります。


■営業キロ数と一日当たりの利用者数

事業者名 地 域 営業キロ 一日当たりの
利用者数
(2009年)
札幌市交通局 札幌市 8.5 20,100
函館市企業局交通部 函館市 10.9 16,100
東京都交通局 東京都 12.2 51,000
東京急行電鉄 東京都 5.0 55,700
富山地方鉄道 富山市 7.3 10,200
富山ライトレール 富山市 7.6 5,100
万葉線 高岡市、射水市 12.8 3,200
福井鉄道 福井市、越前市ほか 21.4 4,500
豊橋鉄道 豊橋市 5.4 7,700
京阪電気鉄道 京都市、大津市 21.6 43,600
京福電気鉄道 京都市 11.0 18,500
阪堺電気軌道 大阪市、堺市 18.7 19,800
岡山電気軌道 岡山市 4.7 9,200
広島電鉄 広島市 19.0 103,600
土佐電気鉄道 高知市、南国市ほか 25.3 15,900
伊予鉄道 松山市 9.6 18,600
長崎電気軌道 長崎市 11.5 50,900
熊本市交通局 熊本市 12.1 25,300
鹿児島市交通局 鹿児島市 13.1 28,500





■営業キロ数と一日当たりの利用者数(営業キロ数順)

事業者名 地 域 営業キロ 一日当たりの
利用者数
(2009年)
岡山電気軌道 岡山市 4.7 9,200
東京急行電鉄 東京都 5.0 55,700
豊橋鉄道 豊橋市 5.4 7,700
富山地方鉄道 富山市 7.3 10,200
富山ライトレール 富山市 7.6 5,100
札幌市交通局 札幌市 8.5 20,100
伊予鉄道 松山市 9.6 18,600
函館市企業局交通部 函館市 10.9 16,100
京福電気鉄道 京都市 11.0 18,500
長崎電気軌道 長崎市 11.5 50,900
熊本市交通局 熊本市 12.1 25,300
東京都交通局 東京都 12.2 51,000
万葉線 高岡市、射水市 12.8 3,200
鹿児島市交通局 鹿児島市 13.1 28,500
阪堺電気軌道 大阪市、堺市 18.7 19,800
広島電鉄 広島市 19.0 103,600
福井鉄道 福井市、越前市ほか 21.4 4,500
京阪電気鉄道 京都市、大津市 21.6 43,600
土佐電気鉄道 高知市、南国市ほか 25.3 15,900





前述のとおり、「鉄道事業法」という法律に基づいて運営されている次の運送機関は、
上記の表やグラフには含んでいません。

 ●江ノ島電鉄(神奈川県藤沢市) 10.0km
 ●筑豊電気鉄道(福岡県中間市) 16.0km
 ●広島電鉄宮島線(広島市) 16.1km



東京新聞 2011年2月13日『世界の路面電車』の記事では、上記の3路線は除外して記載されていました。
ですが、軌道線と鉄道線を厳密に考慮すると、広島電鉄以外にも軌道線と鉄道線が混在しているところがあります。

富山ライトレール、万葉線、福井鉄道、広島電鉄宮島線、伊予鉄道城北線では、鉄道線にもそのまま路面電車タイプの車両が乗り入れをしています。

事業者名 軌道線 鉄道線
(路面電車タイプ
車両乗り入れ)
小計 左記以外の鉄道線
(鉄道専用車両で運行)
東京急行電鉄 世田谷線 5.0km
三軒茶屋 - 下高井戸
5.0km 東横線 24.2km
渋谷 - 横浜

目黒線 11.9km
目黒 - 日吉

田園都市線 31.5km
渋谷 - 中央林間

大井町線 12.4km
大井町 - 溝の口

池上線 10.9km
五反田 - 蒲田

東急多摩川線 5.6km
多摩川 - 蒲田

こどもの国線 3.4km
長津田 - こどもの国
富山地方鉄道 富山市内軌道線 7.3km
南富山駅前 - 大学前


本線(3.6km)
富山駅前 - 南富山駅前

支線 (1.0km)
富山駅前 - 丸の内

安野屋線 (0.6km)
丸の内 - 安野屋

呉羽線 (1.2km)
安野屋 - 大学前

富山都心線(0.9km)
丸の内 - 西町
7.3km 本線 53.3km
電鉄富山
- 宇奈月温泉

立山線 24.2km
寺田 - 立山

不二越線 3.3km
稲荷町 - 南富山

上滝線 12.4km
南富山 - 岩峅寺
富山ライトレール 富山港線 7.6km 7.6km
富山駅北
- 奥田中学校前
1.1km
奥田中学校前
- 岩瀬浜
6.5km
万葉線 高岡軌道線 7.9km

高岡駅前 - 六渡寺
新湊港線 4.9km

六渡寺 - 越ノ潟
12.8km
福井鉄道 福武線 21.4km 21.4km
市役所前
- 福井駅前間 0.5km
越前武生
- 田原町間 20.9km
豊橋鉄道 東田本線 5.4km

駅前
- 赤岩口間 (4.8km)

井原
- 運動公園前間 (0.6km)
5.4km 渥美線 18.0km
新豊橋 - 三河田原
京阪電気鉄道 大津線 21.6km

石山坂本線 (14.1km)
石山寺 − 坂本

京津線 (7.5km)
御陵 − 大津
21.6km 京阪本線 49.3km
淀屋橋 - 三条

(但し、三条
- 東福寺区間は軌道)

鴨東線 2.3km
三条 - 出町柳

中之島線 3.0km
中之島 - 天満橋

交野線 6.9km
枚方市 - 私市

宇治線 7.6km
中書島 - 宇治

鋼索線
(ケーブルカー 0.4km)
八幡市 - 男山山上
広島電鉄 本線 5.5km
広島駅 - 広電西広島

宇品線 5.7km
広島港(宇品) - 紙屋町東/西

江波線 2.6km
江波 - 土橋

白島線 1.2km
白島 - 八丁堀

皆実線(比治山線)2.5km
皆実町六丁目 - 的場町

横川線 1.4km
横川駅 - 十日市町
宮島線 16.1km
広電宮島口
- 広電西広島
35.1km
伊予鉄道
城南線 3.5km
道後温泉 - 西堀端

城南線(連絡線) 0.1km
平和通一丁目 - 上一万

本町線 1.5km
西堀端 - 本町六丁目

大手町線1.4km
西堀端 - JR松山駅前 - 古町

花園線 0.4km
松山市駅前 - 南堀端

城北線 2.7km
古町
- 平和通一丁目
9.6km 高浜線 9.4km
高浜 - 松山市

横河原線 13.2km
松山市 - 横河原

郡中線11.3km
松山市 - 郡中港

ですので、前述の「路線延長(およそ238km)」には、厳密に言えば、鉄道線の区間も含まれているのです。


そこで、鉄道専用車両で運行されている鉄道線は含めず、路面電車タイプの車両が乗り入れをしている広島電鉄宮島線の鉄道線区間、そして、江ノ島電鉄や、筑豊電気鉄道などの鉄道線も含めて路面電車と考えると、営業キロ数(トータル279.8km)で見たグラフは次のようになります。

軌道ではなく、鉄道の扱いとなっている広島電鉄宮島線(16.1km)も含めると、広島電鉄は35.1kmとなり、一番長い営業キロとなります。




実は、軌道法が適用されている軌道であっても、一般的には路面電車という扱いを受けていない区間もあります。知りえた範囲で記載しています。この他にもあるかもしれません。

事業者名 軌道区間
ゆりかもめ
東京臨海新交通臨海線
鉄道線と軌道線が混在。次の区間が軌道

新橋 - 日の出 2.2 km
お台場海浜公園 - テレコムセンター 2.3 km
国際展示場正門 - 豊洲 3.4 km
名古屋鉄道  豊川線 国府 - 豊川稲荷 7.2km
京阪電気鉄道 鉄道線と軌道線が混在。次の区間が軌道

京阪本線の一部 東福寺 - 三条 3.2km
大阪市交通局
南港ポートタウン線
鉄道線と軌道線が混在。次の区間が軌道

トレードセンター前 - 中ふ頭 0.7 km
フェリーターミナル - 住之江公園 3.9 km


最初のほうで、

日本の場合、路面電車とは、「軌道法」という法律に基づいて運営されている運送機関をいいます。

と記載いたしました。

「軌道法」という観点だけで考えると、名古屋鉄道豊川線なども路面電車に含まれることになりますが。。。。


名鉄豊川線諏訪町駅
nek0mask55様

名鉄豊川線の場合、昔は、路面電車タイプの車両が走っていたそうです。ですが、現在は専用軌道で、鉄道専用車両ですので、路面電車という雰囲気はありません。どうやら「軌道法」という観点だけで、路面電車を定義するのは、無理があるようです。

「併用軌道」という観点だけで考えると、東京急行電鉄世田谷線などは、専用軌道を走っているので、路面電車とは違うように思えてしまいます。


熊本電気鉄道藤崎線などは、併用軌道区間があるのですが、全線が鉄道線の扱いになっている路線もあります。


MK Products様撮影 撮影日 : 2006/09/24
黒髪町駅−藤崎宮前駅間の併用軌道区間
手前が藤崎宮前駅方面、奥が北熊本駅方面
ウィキペディア Fujisakigumae-Kurokamimachi_1.jpg GFDL


熊本電鉄 藤崎線 黒髪町駅ー藤崎宮前駅
ikasuminw様



熊本電鉄 併用軌道通過映像
sennokaze619様


路面電車タイプの車両という観点だけで考えると、江ノ島電鉄や京阪電気鉄道大津線などは、路面電車とは違うように思えてしまいます。



京阪浜大津駅付近 併用軌道を行き交う車両
mattunist様



江ノ島電鉄(江ノ電)
cattram様

江ノ島電鉄や京阪電気鉄道大津線が路面電車なら、熊本電気鉄道藤崎線も路面電車ではないかという考え方もあります。

「路面電車の定義」というものは、とても難しいようです。

一般的には、東京新聞がとりあげている17都市19事業者で、さらに広島電鉄宮島線、江ノ島電鉄、筑豊電気鉄道なども含めて考えるケースもあるということではないかと思います。

平成22年(2011)10月20日掲載・23日追記
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