今後の車両の推移に関する考察 |
事業計画 | 2009年以降 | 函館市交通事業経営計画(第2次)検討資料より |
■公開された交通事業経営計画(第2次)検討資料 函館市交通局のHPで、「函館市交通事業経営計画(第2次)検討資料」が公開されました。 これは、平成21年11月30日に開催された「第4回 函館市交通事業経営計画検討会議」で使用された資料です。検討資料であり、確定資料ではありませんので、今後変更される可能性もあると思います。 公開された検討資料には、平成23年度〜平成31年度における、車体更新や車両導入の計画についても記載されておりました。検討段階の資料ですが、この資料のとおりに進められた場合に、どのような車両の推移となるかを考えてみたいと思います。 次の表は、検討資料から、車両の改良計画の部分について、抜粋して表にしたものです。
計画されている車両数ですが、平成23年度〜平成31年度の期間は、変動がなく32両(アミューズメント・トラム、復元電車含む)となっています。これは、花電車(装飾車)3両、除雪車(排雪車)2両の事業用車両を含まない客車だけの数字です。 車体更新や、大規模な改修では、車両の増減に影響はありません。ですが、 平成21年度の12月1日現在では、客車としては次の車両が在籍しています。 箱館ハイカラ號 39(天野工場、元成田⇒札幌交通機械・復元)1両 501(日本車輌⇒国鉄・更新、アミューズメント・トラム)1両 530(日本車輌)1両 711(新潟鉄工所⇒国鉄・更新)1両 715,716,718〜724(新潟鉄工所)9両 810〜812(新潟鉄工所)3両 1006(日本車輌、元都電)1両 2001,2002(アルナ工機)2両 3001〜3004(アルナ工機)4両 8001〜8008(新潟鉄工所⇒アルナ・更新)8両 8101 (新潟鉄工所⇒アルナ・更新)1両 9601 (アルナ車両)1両 事業用の5両を除くと全部で33両になります。 平成21年度には、超低床電車導入1両の導入が予定されていますので、その分を加えると34両になります。公開された検討資料は、平成23年度からの計画ですが、平成21年度、平成22年度も32両の計画であるとすれば、平成21年度の今年度の段階で2両が余剰である勘定となります。平成21年度、平成22年度の車両数の取り扱いについて存じていないのですが、遅くとも平成23年度には32両に減車となることになります。早ければ今年度中、つまり平成22年3月末までには2両が廃車になってしまうことになります。超低床電車導入1両の導入は嬉しいニュースですが、一方では2両が廃車となるわけで、とても残念です。 ■交通事業経営計画から車両の推移を考察 【考察1】
これは、実現して欲しくないパターンです。711号による「わたし出すわ号」の運行や、1006号による都電塗装色での運行が、どうも「最後のはなむけ」のように思えてしまうのですが、考えすぎでしょうか。私の考えすぎであって欲しいパターンです。723号や724号の改修が平成32年度以降になってしまうことからも、このパターンは実現しないものと信じております....。 【考察2】
これは、711号や1006号が生き残るパターンです。このパターンですと、710型が4両廃車になってしまうのですが、生き残った5両の710型は平成31年度までにすべて改修が行われることになります。 ですが、上記のような方針になった場合でも、実際には、車両の損傷具合に応じて車体更新や改修が行われることになると思いますので、上記のように車両番号の若い順番とは限らないと思います。800型が8000型に車体更新された時も、車体番号順ではありませんでした。 上記は、710型の生き残り5両が720〜724の連番となることを意識したものです。実際には、やはり車体の損傷の度合いを考慮したものになると思いますので、連番にこだわらないのかもしれません。また、生き残った車両が仮に、719、720、721、723、724のようになり、722が欠番になってしまった場合でも、車番変更の実施で連番にしてしまうことも考えられます。 車体更新後の車番も上記のようになるとは限らないと思います。「らっくる号」の9601号は、2006年度に導入されたので、西暦の末尾6をとって9601号となりました。平成21年度(2009)に導入される超低床電車は9602号ではなくて、例えば9901号になるのかもしれません。車体更新の3両も、8009〜8011ではなくて、例えば8011、8021、8051のように西暦年下1桁を考慮したものになるのかもしれません。 なお、711号は他の710型と異なる車体ですので、ここでいう生き残り5両には含めて数えていません。当HPでは「改710型」としてご紹介しています。710番代の車両としては711号も含めて全部で6両が生き残るパターンということになります。 ■残して欲しい530号と1006号 530号は、日本車輌製造株式会社に製作していただきました。ですが、設計を担当したのは函館市交通局の職員でした。概要設計を担当されたのは渡辺工務課長、詳細設計を担当されたのは白旗技師でした。現在のように、設計から車両メーカーにお任せの車両とは重みが違います。函館市交通局が自社で設計した車両なのです。500型が導入される直前は、ボギー車といえば400型の6両のみで、単車による運用が中心でした。500型の導入によって、ボギー車を中心とした運用に切り替えることができました。500型は長い間、函館の路面電車の運用の中で中心的な役割を担ってきました。交通局の会計上の都合で、昭和27年の購入の扱いになっていますが、日本車輌製造株式会社東京支店蕨工場において製作されたのは昭和25年(1950)11月です。文化財的な価値も有る大切な自社設計の車両なので、末永く残して欲しい車両であると思っています。 1006号は、530号よりも遅く5年後の昭和30年(1955)6月に製作されました。都電時代は7033号でした。昭和45年(1970)になり、輸送力の強化を目的として、単車の300型を廃車にする代わりに、東京都から譲り受けたものです。全部で10両あった仲間も、ついにこの1両だけになってしまいました。530号ほどの重みは無いのかもしれませんが、是非残して欲しい最後の1両だと思います。 ■実際の推移は..... ここに書かれた内容は、平成21年11月30日時点の検討資料を元にした推測でしかありません。実際の推移は、異なったものになると思います。実際の動きは随時追記していく予定です。このような考え方もあるという程度にご覧いただければ幸いです。ただ、どのような推移になろうとも、530号や1006号は残して欲しいという気持ちに変わりはありません。 ■参考文献 ・函館市交通事業経営計画(第2次)検討資料(平成21年11月30日) 参考文献の入手先 函館市交通局HP トップページ ⇒ご意見・ご要望 ⇒業務案内 ⇒函館市交通事業経営計画検討会議の開催状況 ⇒函館市交通事業経営計画検討会議の開催状況について ⇒○ 第4回(平成21年11月30日開催) ⇒2 資 料 (4) 資料3:函館市交通事業経営計画(第2次)検討資料 (2009年12月2日掲載) ----------------------------------------------------------------------- | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■1年前倒しになった超低床電車の導入 平成22年1月15日より、函館市交通事業経営計画(第2次)(案)に対する意見公募がはじまりましたが、その中で超低床電車の導入年度が一部変更になったようです。11月30日時点の検討資料と比べますと、導入年度が1年繰り上がっている部分があります。 変更前 平成26年度、平成29年度 変更後 平成25年度、平成29年度 まだ(案)の段階ですので、今後も変更の可能性があると思われます。 参考文献の入手先 ⇒業務案内 ⇒函館市交通事業経営計画検討会議の開催状況 ⇒函館市交通事業経営計画(第2次)(案)に対する パブリックコメント(意見公募)手続きの実施について ⇒・財政収支試算,参考資料(PDF:38KB) (2010年1月15日追記) |
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