惜別 711号、1006号(1) |
引退 | 2010年3月 | 平成22年3月末をもって車両が2形式消滅します |
2月26日付で、交通局のHPにおいて「1006 号車・711号車のお別れイベント」の記事が掲載されました。 711号は、昭和60年(1985)に、国鉄五稜郭車両所で車体更新されています。他の710型車両に比べ、車体は新しいものでした。ですが、運転席が狭く、運転士には不評であったようです。また、独自の車体であるため、保守の面で手間や費用がかさんだのかもしれません。 1006号は、昭和45年(1970)に東京からやってきた、元東京都電10両の最後の生き残りでした。東京との結びつきが薄れてゆくのも時代の流れで、致し方ないことなのでしょうか。 事務的に廃車とせず、最後のはなむけとして、広告なしの塗装にしてくださったり、お別れのイベントを開催してくださるのは、函館市交通局として、できうる限りの精一杯の思いやりであると思います。 「定期運用から退く」ということは、「臨時で運用は有り得る」ようにも思えますが、整備の手間を考えると、それは難しいように思います。残念ながら、「定期運用から退く」ということは、廃車を意味しているのではないかと考えます。廃車という言葉を使わないのも、交通局の思いやりのように思います。 東京との結びつきも、ササラ電車の雪3号、雪4号の2両だけになってしまいました。 お別れ会 日時:平成22年3月28日(日) 10:00〜12:00 場所:函館市交通局駒場車庫構内 お別れ会や最後の運転スケジュールについての詳細は、 函館市交通局のホームページでご確認ください。 ⇒函館市交通局のホームページ ●【ご参考1】全国で活躍する元東京都電(平成22年3月時点) ・函館市交通局 雪3号(元東京市電) (製造:1903〜1905頃 東京市街鉄道→東京鉄道→東京市電→函館・帝国電力) ・函館市交通局 雪4号(元東京市電) (製造:1903〜1904頃 東京電車鉄道→東京鉄道→東京市電→函館・帝国電力) ・函館市交通局1006号(製造:1955) ・豊橋鉄道3501〜3504号(製造:1954〜1956) ・長崎電気軌道155号 (製造:1925 王子電気軌道→東京市電→都電→箱根登山鉄道→長崎) ・長崎電気軌道701号(製造:1955) ●【ご参考2】函館が東京から譲り受けた車両 ・1回目:東京市電気局より大正6年に5両、 函館水電31〜35号 ・2回目:東京市電気局より大正14年に単車で7両、函館水電53〜59号 (50型ボギー車が50〜55号に改番される前、ボギー車が47〜52号であった時代に 東京から単車を7両導入し、53〜59号とした) ・3回目:大正15年の新川車庫火災後に、東京市電気局より20両、 函館水電 旧201〜220号(後に函館水電自社で100型へ車体更新) ・4回目:昭和9年の函館大火後に、東京市電気局よりヨヘロ車45両、 帝国電力 新201〜245号(現在のササラ電車、雪3号、雪4号の2両が生き残り) ・5回目:昭和15年、京王電気軌道株式会社より6両、大日本電力401〜406号 ・6回目:昭和45年、東京都交通局より7000形を10両、函館市交通局1001〜1010号 (注)「東京市電気局」は、昭和18年7月1日の東京都制施行に伴い、 「東京都交通局」に改称されました。 昭和9年の函館大火後の45両ですが、一度に45両を調達したわけではありません。 昭和9年〜10年にかけて、15両、10両、10両、5両、5両と、正確には5回に分けて 45両を調達しています。 |
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