高知の路面電車を訪ねて[1] |
写真集 | 土佐電氣鐵道 | 『伊野線』、『御免線』、『桟橋線』 |
土佐電鉄(土佐電氣鐵道株式會社)が高知県で運営している路面電車に会いたくなり、10月22日〜24日の3日間に渡り訪問いたしました。22日の到着は夜でしたので、実質的には2日間になります。岐阜の時と同様に、短い日程ですので、高知の路面電車を網羅することなど到底できませんでしたが、撮影できた写真をご紹介したいと思います。 なお、高知や松山の路面電車については、Shi-Mamutaさんの『四国電車通り』に詳細がご紹介されておりますので、是非ご覧ください。今回、高知を訪れる際に、事前に拝見しておいたので、とても参考になりました。 下の図は、路線図のつもりで書いたのですが、概念的なものです。地図のように正確なものではありませんので、参考程度にご覧ください。 土佐電鉄が運営する高知の路面電車は、『伊野線』(いのせん)、『御免線』(ごめんせん)、『桟橋線』(さんばしせん)の3路線から成り立っています。 ・伊野線...伊野〜はりまや橋(約11.2km) ・御免線...はりまや橋〜後免町(約10.9Km) ・桟橋線...高知駅前〜桟橋通五丁目(約3.2Km) ■主な運用系統 ・高知駅前〜桟橋通五丁目 ・伊野〜知寄町 ・伊野〜文殊通 ・朝倉〜領石通 ・鏡川橋〜領石通 ・鏡川橋〜御免町(ごめんまち) 運用系統に記載のように、伊野線と御免線は通しで運用されています。 桟橋線の岸壁通電停の近くには、土佐電鉄の本社や電車車庫の設備があります。 早朝には、電車車庫を出庫し桟橋線を走行し、はりまや橋で伊野線に入る電車の光景をみることもできます。 各路線の各電停は次のとおりです。
伊野線と御免線を合わせると、約22.1kmというとても長い距離になります。行政区域別にみると、伊野〜宇治団地前の各電停は「高知県 吾川(あがわ)郡 いの町」、咥内〜長崎の各電停は「高知県 高知市」、小篭通〜後免町の各電停は「高知県 南国市」になります。 御免線の「デンテツターミナルビル前」は、はりまや橋からさほど離れていない場所にあります。この電停は、片側だけに存在する電停です。はりまや橋を出発して、知寄町方面へ向かう電車は、この電停に止まります。ですが、知寄町方面からやってきた電車が菜園場町に停車して、次に停車する電停は、はりまや橋になります。 ほとんどが複線化されていますが、伊野〜鏡川橋の区間は単線になっています。そのため、朝倉電停や八代通電停近くの信号場では、タブレット交換(注)が行われています。 ■市内均一運賃区間 大人180円、小児90円の均一運賃区間は次のとおりです。 ・高知駅前〜桟橋通五丁目(桟橋線全区間) ・鏡川橋〜知寄町三丁目(伊野線・御免線、それぞれの一部) はりまや橋で、桟橋線から、伊野線・御免線に乗り換える場合は、降車時に180円を支払うと同時に乗換券を運転士さんからもらいます。鏡川橋〜知寄町三丁目の区間の範囲であれば、その乗換券だけで乗車ができます。ですので、新たに別途料金は発生しません。ただし、鏡川橋〜知寄町三丁目の区間外で下車する場合は、そのときに乗換券の他に追加料金の支払いが必要です。 伊野線・御免線から、桟橋線に乗り換えの時も、乗換券をもらえば、別途料金は発生しません。 また、桟橋線については、10時〜16時の時間帯の利用に限り、大人100円、小児50円の均一料金で運転されています。ただし、はりまや橋で伊野線・御免線に乗り換える場合は、乗換券はもらえますが、100円ではなくて180円(小児90円)になります。 市内均一区間以外では、乗車時に受け取った整理券に応じて、運賃を支払います。 料金の例をあげると次の通りです(小児は半額)。 ・高知駅前〜桟橋通五丁目 100円(10時〜16時) ・高知駅前〜桟橋通五丁目 180円(「10時〜16時」以外の時間帯) ・高知駅前〜知寄町三丁目 180円 ・高知駅前〜鴨部 190円 ・高知駅前〜朝倉駅前 260円 ・高知駅前〜八代通 340円 ・高知駅前〜後免町 400円 ・伊野〜御免町 500円 1日乗車券は2種類あります(小児は半額)。 ・均一区間専用 660円 ・全線用 800円 発売は、土佐電鉄本社、土佐電鉄はりまや橋バス案内所など。 電車の車内では、1日乗車券の販売は無いので注意が必要です。 (注) タブレットというのは、通票とよばれることもありますが、いわば通行手形(通行権・通行証)。単線区間における正面衝突事故を防止するしくみです。タブレット交換を行う特定の場所をあらかじめ決めておきます。その場所には、駅、電停、信号場などが用いられ、部分的に複線になっています。先に交換場所へ到着した電車は停車した状態で、前方から来るべき電車を待ちます。前方から来た電車が持っているタブレットをもらって、初めて先に進むことが出来ます。その先への通行手形であるタブレットを所持しない状態では、先に進めない、その先の単線区間に侵入できない決まりになっています。 例えば、A方面から青い路線区間を走ってきた電車は、青の部分を走行できるタブレットを所持していますが、赤い部分を走行できるタブレットは所持していません。そこで、B方面からやってくる電車を待ちます。 やがてB方面から電車が到着し、運転士がお互いにタブレットを交換します。これで、A方面からやってきた電車は、赤い部分を走行できる権利を得、同様に、赤い部分を走ってきた電車は、新たに青い部分を走行できる権利を得たことになります。このようにして、走行できる権利を互いに交換し、権利を持った電車だけが走行できるルールにして、事故を防止しています。 全国各地の鉄道においては、CTC (Centralized Traffic Control列車集中制御装置)のしくみを導入して、タブレット交換を廃止することも行われています。タブレット交換の方式は昔からある古典的な方法かもしれませんが、実際に運転を行っている運転士どうしが、互いに意識的にタブレットを交換するのであり、確実で安全性が高いと考えます。 |
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