絵葉書[6]
明治・大正初期
市立函館図書館所蔵 馬車鉄道時代
函館の街で路面電車が走り始めたのは、大正2年(1913)6月29日のことです。このとき開業したのは湯川線(東雲町〜湯の川間 5830m)で、5両(1〜5号車)の電車を使って営業を開始しました。
その前にも、電車ではありませんが、既にレールは敷かれていました。馬車鉄道が営業されていて、鉄道馬車が走っていたのです。
佐藤祐知氏が、明治30年(1897)12月12日、亀函馬車鉄道株式会社を開業しました。これは、北海道で初めての馬車鉄道でした。営業区間は、蓬莱町−十字街−末広町−大町−弁天町間の3,270mで、客車15両、馬42頭で開業したのだそうです。
その後、
明治31年(1898)8月 函館馬車鉄道株式会社へ改称
明治31年(1898)12月 湯の川迄区間延長され6,961mに
明治44年(1911)10月 函館水電株式会社(現 北海道電力)が、函館馬車鉄道株式会社を買収
といった経緯をたどり、大正2年6月の路面電車開業となります。
ちなみに、札幌で鉄道馬車が走り始めたのは明治42年、路面電車は大正7年からでした。ですので、佐藤祐知氏の功績はとても大きいと思います。もし、馬車鉄道が無ければ、路面電車による開業も遅れていたことでしょう。
大変ありがたいことに、馬車鉄道当時の大変貴重な絵葉書が残されています。これらの絵葉書は、明治30年12月〜大正2年6月の時代のものとなります。
函館図書館より許可をいただいたものを、掲載させていただきました。
【17】凾館大町五の市光景 The Fair of Omachi.(Hakodate)
函館図書館所蔵 エ-A-18
毎月5日、或いは、5日、15日、25日に市場が開催されていたのでしょうか。
【18】凾館大町ヨリ末廣町ヲ望ム Omachi, in Hakodate.
函館図書館所蔵 エ-A-17
地球が温暖化していない当時は、雪が多かったことがうかがえます。
【19】凾館市街(其十二)辨天町ヨリ大町ヲ望ム
THE WOO ST. FROM BENTEN ST., HAKODATE. (近江堂)
函館図書館所蔵 エ-A-23
自動車も無く、のどかな雰囲気が伝わってきます。ちなみに、東京で自動車が走り始めたのは明治33年ですが、函館は大正3年頃だそうです。
絵葉書[6]
(2005年4月15日掲載)
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