東京からやってきた車両
 東京車  わかる範囲でご紹介

東京市電、京王電気軌道(京王電鉄)、東京都電からやってきて
函館市電を支えてくれた車両。
そして、現在も支えてくれている車両をご紹介します。
不明な部分もいくつかありますが、 わかる範囲でご紹介します。

東京時代のどの車両が、函館市電では何号になったかについては、
400型や1000型は判明しているのですが、その他の型式については
情報が不足しており、1対1の対応関係を明記できませんでした。

こうして見ると、累計ですが88両もの車両が来て活躍したことがわかります。
現存車は1000型の1006〜1008号、除雪車の雪3〜5号の計6両です。
      
                                                                                    
西暦年 和暦年 東京時代の
車両番号
台数 函館市電での
車両番号
備考
1917 大正
6
5月5日売却
246〜250号
5 8月9日就役
31〜35号
東京市電の1型で「ヨト型」とも呼ばれていた車両。
1925 大正14 13年3月11日売却
429,432,437,458,
556,584,624号
7 53〜59号 東京市電の251型で「ヨヘシ型」とも呼ばれていた車両。
1926 大正15 14年1月23日売却
316,334,351,363,
393,430,431号

14年2月20日売却
425号

14年7月21日売却
320,329,663,687,
703,742,746号

14年8月31日売却
354,394,681号

14年11月20日売却
335,388,408号

14年11月30日売却
290号

15年6月10日売却
428,439号

15年7月20日売却
400号

上記25両の内の
20両
20 当初
201〜220号

車体更新後
113〜130号
132,133号
新川橋車庫の火災で車両を焼失した為、東京市電の251型(ヨヘシ)を購入。25両の内の20両であるが、情報不足で20両に絞ることができなかった。
2月3日に7両、21日に13両到着した旨の記録が残っている。
東京市電側の売却日が14年のものが多数あるが、15年ではなく14年で記録されている理由は不明。
これら20両は、当初は200型として就役し、昭和3年以降、自社工場で順次車体更新が実施され、梅鉢車タイプの車体になった後は100型に改番されたと考えられる。
函館水電で131号を飛ばして番号を採番した理由は定かではないが、20両の内18両まで車体更新を完了した後、元10型車の半焼車を再生した車輌が131号に採番され、残り2両がその後の番号になったのかもしれない。
1934 昭和
9
●元251型の改造
262→79 289→84
301→93 330→92
338→86 348→87
357→90 360→91
369→80 372→94
373→101
391→102
395→96 411→81
412→83 415→97
521→36 549→37
563→52 586→48
588→51 591→49
593→50 597→58
600→60 623→40
638→33 648→45
677→38 683→34
685→42 697→56
699→43 717→41
718→39 339→ 89
397→ 95 414→103
716→ 44
630→32 520→35

●元1型の改造
180→27 130→12
128→11 115→ 4

●元821型の改造
  9年4月5日売却
847→63 864→64
870→65 928→76
980→74
45 昭9年就役
201〜225号
236〜245号


昭10年就役
226〜235号
函館大火で焼失した車両を補てんする為に、東京市電からヨヘロに改造された新1型を45両購入。

元251型(旧東京市街鉄道の車両)が36両、元821型(旧東京電気鉄道の車両)が5両。元1型(ヨト型・旧東京電車鉄道の車両)が4両。

高松吉太郎氏の調査では45両中40両が判明。残りの5両のうち4両については川上幸義氏の調査により判明。

後に、和久田康雄様の調査結果を元に修正。45両全ての車番が特定できた。

大正14年に東京市電で行われた改番・整理によって車両番号が変更になっている。

現存車は、除雪車に改造された次の3両。
244号→雪3号
245号→雪4号
242号→雪5号

東京市電の車番と函館の帝国電力での車番の関連については『200型の東京時代の車番』に記載。
         
1940 昭和15 52号
47号
59号
53号
54号
45号
6 401号
402号
403号
404号
405号
406号
京王電気軌道株式会社より中古木造ボギー車を購入。
1970 昭和45 7039号
7042号
7040号
7036号
7041号
7033号
7034号
7037号
7032号
7038号
10 1001号
1002号
1003号
1004号
1005号
1006号
1007号
1008号
1009号
1010号
東京都電より7000型を購入。現存車は1006号〜1008号
ただし、昭和60年5月1日付で1005号が廃車になる際、1007号と車番交換が行われてから1005号が廃車になっている。
つまり、元7034号の1007号が1005号として廃車となった。現在の1007号は、当初は1005号の番号をつけて走っていたのであり、元7041号である。初代1007号(元7034号)は廃止され、1005号(元7041号)がいわば二代目の1007号を継承したといえる。

たぶん1005、1006、1008という飛び番号で欠番状態は好ましくなく、連続番号で管理したほうがよいという配慮であると思われる。
実はこのような改番・整理は、どこの交通局でも行われており、車両の管理上必要な事なのであるが、後世の者が過去に遡って車両の推移を追う場合、調査が難しくなる要因でもある。車番は、車体の管理の為の番号であり、後世の者の調査用では無く、管理しやすいように改定されてしかるべきであるから、やむを得ない。



■参考文献
  ●『函館市電』(川上幸義氏)
    −「もはゆに」誌No.7( 1948年12月)...「東京鉄道同好会」の会報
  ●『函館市電 その后』(川上幸義氏)
    −「Romance Car」誌No.8(1949年12月)...「東京鉄道同好会」の
      会報
  ●『都電車両50年のあゆみ』(高松吉太郎氏)
    −「鉄道ピクトリアル」誌No.121〜131(1961年8月〜1962年5月)の
      連載記事
  ●和久田様よりご提供いただいた情報
   『東京市電ノート』からの抜粋記事
    −「とろりい・らいんず」誌(1977年10月) 「日本路面電車同好会」の
      会報

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