待ち遠しい『部分低床電車』
2001/12/8

 函館市交通局では、2002年3月より「部分低床電車」の導入を予定しています。
地球環境にやさしい事に加え、さらに人にもやさしく、バリアフリーの観点を考慮して、
導入が決まった模様です。

函館市電の場合、「十字街の急カーブ」、「駒場車庫から営業路線への入出庫時の
カーブ」等の事由により、「超低床連接車」は困難と判断されました。
そこで、車体更新による「部分低床電車」が検討され、更新時期と車体部分の老朽化
の点から、807号の使用が決定されました。
807号は、10月末に一旦廃車となりましたが、「部分低床電車」として車体更新された
後に、新しい車番で生まれ変わる予定です。
新しい車番は、まだわかりません。他の800型と同様、8000型として8009号になるの
かもしれませんし、はじめての「部分低床電車」ですので、新しい型式になるのかもし
れません。

「部分低床電車」は、名古屋鉄道株式会社でも採用されています(名鉄800型)。

田澤様より、台車や制御装置から取り外された、807号の旧車体部分の貴重な写真を
頂戴いたしました。このまま、廃車で終わってしまうならとても悲しい写真なのですが、
来年3月には生まれ変わって再登場なので、その事を考えると喜ばしい事ですし、
今からとても楽しみに思えます。

807号は、806,808,809号と共に、1963年(昭和38年)4月に株式会社新潟鉄工所で
製作され、1968年(昭和43年)5月にワンマン化改造が行われました。2年後の1970年
(昭和45年)10月には暖房装置が取り付けられました。
廃車になる直前は函館米穀株式会社の広告車「クリスタル号」として活躍していました。

クリスタル号の役目は、711号に引き継がれました。


なお、800型には、前扉の部分が「1枚引戸タイプ」と「2枚引戸タイプ」の2種類の
車輌があります。
801〜810号が「1枚引戸タイプ」、811と812号が「2枚引戸タイプ」として製造されました。
810号は1964年(昭和39年)6月、811と812号が1965年(昭和40年)4月の製造なので
すが、810号の製造の後で、前扉に関する仕様変更があったと考えられます。

801〜806,808,809号の8両は、8001〜8008号として生まれ変わり活躍中です。
残る3両の800型では、810号が前扉の部分が「1枚引戸タイプ」、811と812号が
前扉の部分が「2枚引戸タイプ」となります。
8000型の8両は、すべて前扉は「2枚引戸タイプ」です。

ちなみに、711号は「1枚引戸タイプ」です。

もし函館市電に乗る機会がありましたら、前扉が何枚かもご覧になってみてください。






                                                                                                                                          
更新前 更新後 製造年月 ワンマンカー改造 暖房設備設置 更新年月 製造時の前扉 更新後の前扉
801 8004 1962年7月
(昭和37年)
1968年5月
(昭和43年)
1970年10月
(昭和45年)
1993年1月
(平成5年)
1枚引戸 2枚引戸
(折り戸)
802 8005 1994年3月
(平成6年)
803 8001 1990年3月
(平成2年)
804 8003 1992年3月
(平成4年)
805 8006 1995年3月
(平成7年)
806 8007 1963年4月
(昭和38年)
1997年3月
(平成9年)
807 未定 2002年3月
(予定)
808 8002 1990年12月
(平成2年)
2枚引戸
(折り戸)
809 8008 1997年3月
(平成9年)
810 1964年6月
(昭和39年)
800型現役
811 1965年4月
(昭和40年)
1971年10月
(昭和46年)
2枚引戸
(折り戸)
812
   
 田澤 元 様から頂戴した情報です。田澤様ありがとうございました。


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