Windows95/98/Me/NT/2000/XP共通の話題
起動時間とチップセットドライバ
Windowsロゴ表示の時間が長すぎる... 久々に、マザーボードやCPUを入れ替えて自作PCをグレードアップしました。ですが、なぜか起動が遅いのです。起動ドライブであるCドライブはRAID構成で、通常のハードディスクより速いはずなんですけど...(汗。 OSはWindows XPです。どこの部分で、時間がかかっているのかというと、XPの起動ロゴが表示されてから、「ようこそ」の画面が出てくるまでが異常に長いんです。まるで、途中でハングアップしたのかと勘違いしてしまうくらい長い。1分位かかっていたんです...。「ようこそ」の画面が出てからは、遅くありません。なので、「スタートアップ」に余計なソフトをたくさん詰め込みすぎだとか、そういった理由ではないのです。原因が判明するまでは、「グレードアップしないほうがよかったのか...トホホ」と考えてしまったり...(汗。
マイクロソフトの「BootVis」を試す マイクロソフトから、「BootVis」というツールが以前公開されていました。これは。Windowsの起動時間を自動チューニングして、速くしてくれるツールです。残念ながら、現在は公開されていません。 以前、ダウンロードしておいたものをインストールして使ってみました。 残念ながら、効果はありませんでした...。 ブートログを記録してチェックしてみる XPの場合は、起動ロゴが出る直前でF8キーを押すことにより、セーフモードなど、起動方法を選択できる「拡張オプションメニュー」が表示されます。このメニュー中に、「ブートのログ作成を有効にする」という選択肢があります。この選択をすると、起動中にどのようなドライバソフトが読み込まれたか、あるいは読みこまれなかったか、といった情報が記録され、起動後にチェックすることができます。Windowsフォルダの中にntbtlog.txtという名前で記録されます。 ほんの一部ですが、ご紹介すると Loaded driver \SystemRoot\System32\DRIVERS\netbios.sys Did not load driver \SystemRoot\System32\DRIVERS\processr.sys Did not load driver \SystemRoot\System32\Drivers\PCIDump.SYS Loaded driver \??\C:\Program Files\Norton SystemWorks\Norton AntiVirus\SAVRTPEL.SYS Loaded driver \SystemRoot\System32\DRIVERS\rdbss.sys のような内容です....。 「Loaded driver」の他、「Did not load driver」といった記述もありますが、「Did not load」=「error」ではありません。そのパソコンにとって、不要なドライバソフトであれば、読み込まないのが正解です。今回、はじめてntbtlog.txtを見たのですが、そのドライバソフトを読み込んだ、あるいは読み込まなかった際の、時間が記録されていないのです。なので、どこで時間がかかっているのか、これではわからないのです。 さて、次の手はどうしたものか...(汗。 もしかしてDMAではなくてPIO転送になっているとか... パソコンが内部で、データの転送処理を行う際、昔はCPUを経由する、CPUに負荷のかかる「PIO転送方式」というのが使われていました。現在の主流は、CPUを経由しない、CPUに負荷のかからない「DMA転送方式」が主流。だけど、何らかの障害で、本来DMA転送方式で動くべきところ、PIO転送方式で動作してしまう場合もあります。するとハードディスクの動作が極端に遅くなります。 ハードディスクがDMA転送モードで正しく動作しているかどうかは、「デバイスマネージャ」を使って確認できます。 「コントロールパネル」→「管理ツール」→「コンピュータの管理」→「デバイスマネージャ」の順に選択します。或いは、コマンドプロンプト画面から「start devmgmt.msc」と入力しても起動できます。 「IDE ATA/ATAPIコントローラ」のところで、そのパソコンで実際に使われているIDEインターフェースコントローラーの情報(HDDやDVD-Rなどのデバイスをコントロールしている部分の管理情報)を確認することができます。右クリックしてプロパティを選択します。 そのパソコンの、マザーボードで使用されているチップセットや、使用されているドライバーソフトによって、表示される情報は異なります。私が現在使用しているパソコンでは次のように表示されました。 実際には「Let BIOS select transfer mode」にチェックが入っています。チェックが入っていると「Serial ATA DMA」という表示が見えにくいので、見やすくするために一時的にチェックを外しました。「BIOSによって選択された転送モードに従う」という指定になっていて、それは「Serial ATA DMA」というモードが選ばれています。PIOでは無いようです。 安心したものの、ここでも原因はわからずですね...(汗。 原因は、「IDE ATA/ATAPIコントローラ」で使用されていた古いバージョンのドライバソフト ハードディスクやDVD-Rのデータ転送を司っているのは「IDE ATA/ATAPIコントローラ」。DMA転送にはなっていたものの、何か他にチェックすべき事があったような...。 バージョンがV2.5ということになっています。 「これは、最新のバージョンなんだろうか?」 ということで、もっと新しいドライバーソフトが提供されていないものか、インターネットで調べました。 私が使っているパソコンのマザーボードは「GA-K8NS Ultra−939」というタイプです。 次のサイトで、Chipset Driverを選択しダウンロードしました。 http://www.giga-byte.com/Motherboard/Support/Driver/Driver_GA-K8NS.htm そして、ドライバの更新をした結果、バージョンはV2.6になりました。 ●更新前 ●更新後 起動用のCドライブはRAIDで使用しているので、RAIDコントローラのドライバも新しいバージョンへ更新しました。 ●更新後だけご参考に。ちなみに更新前は、日付2004/01/13 バージョン5.10.2600.412 となっておりました。 IDEのコントローラとRAIDのコントローラで使用されているドライバーソフトを、最新版にバージョンアップしたのです。そして、再起動をしました。その結果 XPの起動ロゴが表示されてから、「ようこそ」の画面が出るまでの所要時間は V2.5バージョンのとき....約1分 V2.6バージョンにした後...約30秒 30秒速くすることができ、ハングアップしたかのような錯覚に思える現象は改善されました。 チップセットドライバーが原因だったとは...。 何故、もっと早く気がつかなかったのだろう...(汗。 Windowsを新規にインストールしたら、必ずチップセットドライバも即導入。 そして最新版であるか、チップセットに適合したドライバであるかの確認も。 チップセットは、CPU、メモリ、HDD、各種拡張カードなどを制御するLSI(集積回路)。いわば、パソコンの心臓部。このハードウエアをコントロールするために必要になるのが、チップセットドライバー。Windowsはチップセットドライバーを通じて、チップセットをコントロールしているのです。Windowsをインストールした直後は、標準的なチップセットッドライバが使用されており、本来のチップセットの性能が発揮されていない状態なのです。「IDE ATA/ATAPIコントローラ」や「RAIDコントローラ」で使用されるドライバソフトは、このチップセットドライバの一部。 マザーボードを購入したときは、CD-ROMが付属していて、その中にチップセットドライバが入っています。ビデオカードのドライバソフトやLAN用ドライバソフト等よりも、最優先で導入しなければならないのが、チップセットドライバです。 CD-ROMの中を確認したところ、古いバージョン(V2.5)とインターネットで公開中の新しいバージョン(V2.6)の両方が格納されていました。何故古いV2.5が導入された状態に至ったのか...。 さらによくみると、 NVIDIA CK8S Serial ATA Controller(v2.5) NVIDIA nForce3 250 Serial ATA Controller(v2.6) って、単なるバージョンの違いではなく、種類自体が違うような気もするけど...。 後からインターネットで検索して知った事なのですが、 マザーボードの種類(例えば「MSI K8N Neo2 Platinum」)によっては、 NVIDIA nForce3 250 Serial ATA Controller(v2.6)では、起動時間が遅く、 NVIDIA CK8S Serial ATA Controller(v2.5)で改善されたという事例もあるようです。 付属のCD-ROMを使って、チップセットドライバを導入した際、インストーラーがチップセットを誤認識して、最適でないドライバを導入してしまったような....そんなふうに解釈できなくもないのですけど...。 「チップセットドライバを最新化(或いは最適化)することで、起動時間が改善される場合もある」。 以上、今回のトリビアでした......(汗 さらに高速化を検討するなら「TuneXP」 Xp専用のツールですが、TuneXPというソフトがあります。 ダウンロード http://download.cnet.com/TuneXP/3000-2086_4-10290929.html?cdlPid=10290928 日本語化パッチと解説 http://hp.vector.co.jp/authors/VA036290/patch.htm TuneXPで高速化した後、BootVISを用いることで、さらに高速化が期待できるかもしれません。 BootVISをGoogleで検索 (2005年2月1日/2007年8月30日一部追記) 「動け!Windows 」 コンテンツ一覧 > ソフトウエア関連>起動時間とチップセットドライバ |