Windows95/98/Me/NT/2000/XP共通の話題
最小構成でOSインストール
●基本だけど忘れやすい... ハードディスクへ新規にWindowsをインストールする場合、ハードウエア構成は最小限にしてインストールするのが好ましい方法です。OSのインストールを頻繁に行っている人にとっては常識かもしれません。ですが、たまにしか行わない人にとっては、覚えていてもついつい忘れがちな事です。ついうっかりフル装備状態でインストール...。そうすると、思わぬトラブルに遭遇したりです。スキャナ、プリンタ、MOドライブ、LANカードetc...。Windowsのインストールが終わった後でもかまわないものは、最初は外しておいたほうが吉です。 最小限の構成で接続しておくもの ・マザーボード ・CPU ・メモリ ・グラフィックカード ・ディスプレイ ・マウス ・キーボード ・フロッピードライブ ・CD-ROM(CD-R)ドライブ ・電源装置 ・ハードディスク(Windowsのインストールに必要な分のみ接続) ●何を外しておくのか ・LANカード 最近は、マザーボードにLANの機能がついている、オンボード(ON BOARD)の場合が多くなりました。別途LANカードを用意して拡張スロットに装着することも少なくなったように思います。もしLANカードを使う場合は、外しておきます。LANカードの装着とネットワークの設定は、Windowsのインストールが終わったあとでもできます。後回しにしたほうが、インストールの途中でトラブルに悩むこともなくなります。 ・SCSIカードとSCSI機器 IDE仕様のハードディスクにインストールするなら、SCSIカードを初めから接続しておく必要はありません。外付けのSCSI仕様のDVD-Rや内蔵のSCSI仕様のMO等も外しておいたほうが無難です。 ・Windowsを入れないハードディスク 複数のハードディスクを接続して使う場合でも、インストール時の接続は1台だけにします。RAID構成にするために2台必要であるとか、そういった場合は別ですが。ハードディスクへの電源供給を止める(電源コネクタを外す)だけではだめです。物理的にIDEケーブルからハードディスクを外します。 ・DVD関係 DVD-ROM、DVD-R、DVD+R、DVD−RAM等。ATAPIタイプでIDEケーブルに接続して使う場合は、電源コネクタを外すだけではだめです。物理的にIDEケーブルから外します。 ・サウンドカード これもLANカードと同様に、マザーボードにサウンドチップが搭載されていて、以前より使う機会が少なくなったようです。サウンドカードを使う場合は、LANカードと同様に外しておき、Windowsのインストールが終わってから装着して、サウンドカード用のドライバーソフトを追加インストールするようにします。 ・プリンタ Windowsのインストール時に、プリンタの接続は不要です。 ・USB機器 スキャナ等のUSB機器は、後回しにします。 ●DVD関係は外しておくのが最良 DVD-ROM、DVD-R、DVD+R、DVD-RAM等のDVD関係は、外付けにしろ内蔵にしろ外しておくことを、特にお勧めいたします。私は、Windowsのインストールの際にDVD-RAMを接続していたために、大変苦労することになりました(涙。DVD-RAMは、今現在は問題なく正常に使えています。ですが、Windowsのインストールのときに、初めから接続しておくべきでは無かったのです...。 「私はCD-ROM装置が無いのでDVD-ROMを外すとCD-ROMまで使えなくなるから、それだとWindowsのインストールもできない...」ということでしたら、話は別です。ですが、できればDVD関係は、インストールの最初から繋げておくのは避けたほうがいいんです。マザーボードによっては、全く問題は無いのですが、マザーボードによっては、大変悩むことになるのです。実はマザーボードというよりも、マザーボード上に搭載されている、チップセットによって問題が生じることが多いです。チップセットメーカーで有名なのは、Intel、AMD、VIA、SiS、nVIDIA等です。今回購入したマザーボードで、搭載されているチップセットのメーカーはVIAなんですが...。 ●データのバックアップ 私が今回購入したマザーボードはGIGABYTE社の「GA-7VAXP Ultra」という製品です。オンボードでLAN、RAID、サウンド機能が搭載されています。つまり、LANカードもRAIDカードもサウンドカードも不要なのです。 以前使用していたマザーボードは、ASUSTeK社の「K7M」という製品でした。こちらもいい製品です。ですが、スロットAタイプのAthlon CPUを使う関係で、最近の高速なCPUを装着することができず、今回マザーボードを交換することにしたのです。 マザーボードを交換する前に、DVD-RAMを使ってデータのバックアップをしました。バックアップには、特別なツールを使用せず、単純にハードディスクからDVD-RAMへエクスプローラーを使ってコピーしただけです。アプリケーションの多くは、Windowsのインストールが終わった後に再インストールが必要なので、無駄になる部分が多いと思いましたが、念のためアプリケーションもバックアップしておきました。Windowsを新規にインストールするとレジストリ情報は引き継がれないので、アプリケーションの多くは、バックアップしたDVD−RAMからコピーで戻しただけでは正常に動作しないです。ただし、レジストリ情報に依存しないアプリケーションソフトは、コピーでハードディスクへ戻すだけで動作するので、再インストールの手間は省けます。 大事なのは、アプリケーションのバックアップよりも、むしろ自分で作った文書データ、表計算データ等ですね。 この便利なDVD-RAMが、Windowsインストール時に災いになってしまうとは...(涙。 ●ハードディスクの初期化 バックアップも終わったところで、マザーボードを交換し、ハードディスクの初期化(領域確保+フォーマット)。今回は、新品のハードディスクではなくて以前のマザーボード時代から使っていたハードディスクを使いました。マザーボードを交換する時は、ハードディスクを交換しない場合であっても、原則として初期化して使います。初期化せずに使用できる場合もありますが、不安定になったり、ハードディスクに負荷がかかって加熱する場合があります。マザーボードの不良で同じメーカーの同じ型番のマザーボードに交換するなら、ハードディスクはそのまま使えます。ですが、違う型番のマザーボードに変えるなら、ハードディスクは新しいマザーボードにした後で初期化したほうが安全です。初期化するということで、交換前のマザーボードを使っているうちに、事前のバックアップは必要になります。 ところが...。 ●FSB133MHzで起動しない... 新しいマザーボードにし、ハードディスクを初期化すべく、電源を投入。電源は入れど起動しない...。BIOSの設定画面すら出ない...。「もしや、マザーボードの初期不良?」と思いました。このマザーボードにはFSB100MHzとFSB133MHz(AUTO)の切り替えスイッチがあります。通常はAUTO側で使うのですが、これがFSB100側にすると起動。でも、これは私が使いたいCPUでは本来の性能が発揮できない状態なんです。マザーボードの説明書を読んでも、原因がわからない。困りました...。 FSBとはFront Side Busの略です。「ベースクロック」と呼ばれることもあります。メインメモリ、拡張スロット(PCI、AGP)が、CPUとデータのやり取りをするときの周波数、つまりはスピードを表します。FSBが100MHzよりも133MHzのほうが、1.33倍速いことになります。が、実際に速くなるのはCPUとメモリ間の速度で、グラフィックカードやPCI拡張スロットのカードは、動作クロックが33MHzや66MHzで固定されていて、マザーボードがそれに合わせて速度を調整するので、速くなりません。ただ、CPUとメモリの間の処理スピードが速いので、単にCPUとメモリだけの速さではなくて、副次的効果で全体的な処理速度向上も期待できるかもしれません。 CPUの「動作クロック」は、「FSB」と「CPU倍率」との掛け算で決まります。「FSB」も「CPU倍率」も、CPU内部で製造時に予め設定されている数字で、CPUの種類毎に固定値が決まっています。例えば、私が現在使っている「AthlonXP 2000+」というCPUは、FSBが133MHzでCPU倍率は12.5倍です。133×12.5=1662.5MHzが動作クロックになります。CrystalMark等のツールで実測すると、個体差があって多少誤差があります。「Pentium4 2.0GHz」というCPUは、CPU倍率が20倍です。ただしFSBは100MHzで133MHzでは動きませんので、100×20=2000MHzが動作クロックになります。CPU倍率は固定で変更できないと書きましたが、マザーボードによってはジャンパースイッチで、可変操作が可能なものもあります。また、FSBは切り替えスイッチやBIOSの設定で変更できるものもあります。ですが、本来の想定されたFSBやCPU倍率を変えて使うということは、想定外の使い方なので、CPUを壊してしまう可能性もあるのです。「オーバークロック」と呼ばれる使い方ですが、そのように危険を伴う行為なので、お勧めはできません。 私が今回選んだ「GA-7VAXP Ultra」というマザーボードですが、CPUのAthlonXPには、FSBが100MHzのタイプと133MHzのタイプがあるので、切り替えられるようにスイッチが付いています。また、BIOSの設定で、FSBを可変(100〜132、133〜165、166〜200)することができるようになっています。 話を戻しますと、私が買ったAthlon2000+が、133×12.5=1662.5MHzではなくて100×12.5=1250MHzのスピードでしか動いてくれないんです...。FSB133の設定(AUTOの設定)にすると起動しないんです。電源すら入らない...。入ったと思ったら、画面が真っ暗でBIOS設定の画面すら出ない...。BIOS設定画面が出せたと思ったら、そこで固まってしまい、キーボードが反応しなくなる...。 ●FSB100MHzなら起動するということは... 何が原因なのか?こんなときは、どうやって原因を見つけ出せばいいのか...。 先ずは、冒頭にも書きましたが「ハードウエア構成は最小限にする」です。上の「●何を外しておくのか」で書いたものを外します。 さらに「メモリを複数枚使っているなら1枚だけにする」です。ハードウエア機器を増やしたり、メモリを増やすのはWindowsのインストールが終わってからでもできる事だからです。 このような症状で、原因として考えられる疑わしい点を列挙してみます。 ・異なる種類のメモリを複数混在させた場合の、メモリ間の相性 ・マザーボードとメモリ間の相性 ・電源容量不足 ・メモリの不良 ・マザーボードの不良 ●原因はDVD-RAMを初めから接続していた事... 私の場合、原因は「DVD-RAMの接続」だったのです。DVD-RAMは現在は問題なく使えています。ですが、Windowsをインストールする当初から接続していてはいけなかったのです。「ハードウエア構成は最小限にする」という鉄則を忘れていたのです。というより、勘違いしていました。DVD-RAMドライブへ電源を供給しなければ、電源コネクタさえ外せば、それがDVD-RAMを外したことになると思い込んでいたのです。DVD-RAMを外すということは、IDEケーブルとの接続を外すということです。DVD-RAMドライブへの電源供給を止めてもIDEケーブルへ接続したままでは、DVD-RAMを外したことにはなりません。 DVD-RAMをIDEケーブルから外したところ、FSB133MHzの設定で問題なく起動しました。あっさり書いても、実はここまでたどり着くのが大変だったわけですが...(汗。 FSB133MHzの設定で起動できるようになってから行ったインストールの一連の作業順序は次のとおりです。 0.RAID Driverインストール用フロッピーの作成。 サブマシンを使って、マザーボードに付属のCD-ROMからPromise RAID Driverの20276用をフォーマット済みフロッピーへコピーしました。WindowsをインストールするCドライブをRAIDにしたかったからです。WindowsXPの場合、インストールの初期の段階でキーボードのF6キーを押して(F6キーを押す旨の英語のメッセージが出たらF6キーをひたすら連打する...(汗。)フロッピーからPromise RAID Driverをインストールする必要があるからです。サブマシンが無い場合は、マザーボードを交換する前に、事前にフロッピーを作成しておく必要があります。WindowsMeの場合は、このような事前のフロッピーの準備は不要で、後ほどCD-ROMからインストールすれば済むんですが、WindowsXPでは事前の準備が必要なんです。 1.WindowsXPのインストール。RAID Driverはフロッピーからインストール 2.マザーボードに付属のCD-ROMから各種ドライバのインストール (1)VIA 4in1 Service Pack Driver (2)VIA USB Patch Driver (3)VIA USB2.0 Driver (4)Realtek AC97 Audio Driver (5)Realtek 8139/8100 LAN Driver 3.WindowsXP ServicePack1の適用 4.Windows UpdateでServicePack1以外の更新を適用 5.Cドライブ以外のIDEハードディスクの接続 6.SCSIカード(Adaptec AHA-2940)の接続 7.MOドライブの接続 8.DVD-RAMドライブの接続 9.DVD-RAM用ドライバーのインストール 10.DVD-RAMを使ってバックアップデータをハードディスクへコピー戻し 11.各種アプリケーションソフトのインストール 年賀状ソフトは、行書体フォント等、Windowsの標準フォントで無い部分が消えていますので、再インストールが必要になります。 DVD-RAMドライブは、Windowsのインストール後に接続したところ問題なく使えています。インストール前に接続したら電源すら入らなかったのに...。DVD関係は比較的新しいドライブ装置なので、「コールドスタート(電源を完全に切ってから電源再投入)で失敗する」とか「FSB133で動かない」とか、「STOPエラーやWindows保護エラー等が出てWindowsのインストールができない」とか、そういったトラブルの原因になるケースが多いのかもしれません。Windowsのインストールが終わった後に接続すれば、問題なく使えるということはマイクロソフトやDVD-RAMのメーカーの問題では無いようです。GIGABYTE社以外のマザーボードでも同様の現象が発生する、GIGABYTE社のマザーボードでも違うタイプ(KT400以外)のマザーボードでは発生しないとなると、残るはチップセットメーカーが作ったチップセットの問題ということになるんですが...。謎です...。 ああ、DVD-RAMドライブを完全にIDEケーブルから外していたら、「電源コネクタを外しただけの状態で外しただなんて勘違い」していなかったら、CPUや650W電源や高価なメモリの買いなおしなんて必要なかったのに.....(滝汗。 こんな苦労と無駄な出費をしない為にも、次回は違うチップセットが使われているマザーボードを選択することにします.....(涙。 (2003年2月15日) 「動け!Windows 」 Home > ハードウエア関連 > 最小構成でOSインストール |