パソコン自作の話題
マザーボードの復旧 (ROMの交換)
これは、パソコンを自作する方向けの話題です。 自作しない方には、あまりピンとこない話題かもしれません。 まあ、「そういったことが起きることもあるんだ。」程度でお読みいただければ けっこうです(^^;)。 ●緊張するBIOSの更新(^^;) パソコンの電源を投入すると、いちばん最初に起動するプログラムが 「BIOS」(バイオス)です。このBIOSは、Windows98や2000が起動するよりも もっと前に起動します。 このプログラムは「BIOS ROM」(バイオス ロム)とよばれるICチップに 記録されています。 「新しいタイプのCPUでも使えるようにしたい」とか、 「120MBのフロッピー装置が使えるようにしたい」とかいったとき 必ずではありませんが、このBIOSを最新のバージョンに 更新しなければならないケースもあるのです。 BIOSの最新バージョンは、パソコン雑誌に付録でついていたり インターネットのマザーボードのメーカーのサイトで公開されています。 ところが、このBIOSを最新のプログラムに更新するとき、 手順を間違えたり、更新用のツールを間違えたりで 更新に失敗してパソコンが起動できなくなる事があるのです。 BIOSを更新するときは、緊張します(^^;)。 ●便利な「ROM焼きだいじょうぶ!」 BIOSの更新のとき、万が一失敗しても、更新前のBIOSのバックアップを使って パソコンが起動できるようにする装置です。 これがあると安心です。 BIOSを最新のプログラムに更新することを、「BIOSを更新する」といったり 「最新のBIOSをROMに焼く」といったりします。 この便利な装置は、日本では「Vertex Link」というメーカーが発売しています。 私が購入したときは、プラスチックの円筒形のケースに入っていて3,000円弱 でした。最近は、箱に入っていて、ROMのICチップが簡単に取り外しできるための 専用の工具も付属しているようです。 ●作業ミスでROMが壊れる(T_T) この便利な装置を購入し、さっそく取り付けたのです。 私が自作したパソコンのマザーボードはASUS社のP2Bという製品です。 しかし、私の作業ミスから、とんでもない事が起きてしまったのです....。 BIOSの更新に失敗したのではありません。それなら、この装置で復旧できます。 私は、この「ROM焼きだいじょうぶ!」という装置の初期導入設定に失敗して しまったのです。 この装置を導入するためには、 1.BIOS ROMをマザーボードから取り外す。 2.この装置をマザーボードへ取り付ける。 3.その装置の上にBIOS ROMを取り付ける。 といったおおまかな流れになるのですが、 何と私は、180度逆転した状態で取り付けてしまったのでした(^^;)。 電源を入れたら、なんだか焦げ臭い(^^;)。 私のミスで、もともとついていた、BIOS ROMも、せっかく購入したこの装置も どちらも壊してしまったのでした。 熱で溶けてる(T_T)...。 悲惨な「3月4日ROM逆差し事件」でした。 ●P3B-Fを購入 この事件がおきたのは夕方で、秋葉原はちょっと時間がかかるし... ということで、池袋のビックパソコン館へ向かうのでした。 壊れたのが、マザーボード全体ではなく、どうやらROMの部分だけのようでしたが 代わりのROMもなく、パソコンを普及させるのに一番早い方法は、 マザーボード毎交換してしまうことでした。 ASUS社のP3B-Fに交換し、パソコンは無事起動できるようになりました。 それにしても、BIOSの更新で失敗しても、安全な為に買った装置が... その装置の装着ミスで、まさかROMを溶かしてしまうとは...。 「ROMでプログラムを焼く」のではなくてROM自身を焼いて溶かしてしまったの ですね(^^;)。 ●秋葉原でROMを購入 P3B-Fで無事メインのマシンは動いていましたが、もったいないのはP2B。 壊れたROMさえ交換すれば、マザーボード全体が焦げたわけでもないし また使えそうなのです(^^;)。 そこで、3月11日秋葉原へ行ってROMの購入。 壊れたROMを持っていって、「これと同じものをください」とお願いする。 ラジオデパートの1Fにある江南電気というお店で購入。1300円+消費税。 ちなみに壊れたのは「29C51002T-90P」で、 購入したのは「ATMEL AT29C020 90PC 99141」。 ちと不安だったけど、専門家が選んでくれたんだし互換性があるのだと 信じて帰宅(^^;)。 ●P2Bの復旧作業 稼動中のP3B-Fですが、前回の逆差し事件を教訓にして、 「ROM焼きだいじょうぶ!」装置は正しく装着されて稼動しているのでした(^^;)。 買ってきた新品のROMですが、中はまだ空っぽの状態。 BIOSプログラムが記録されていない状態です。 この新品のROMが使えるようになるには、この中にP2B用のBIOSプログラムを 書き込んであげる必要があるのです。 BIOSが書き込まれたROMを装着して、はじめてP2Bが生き返るわけですね。 作業手順は次のとおりです。 1.P3B-FをMS-DOSの入ったフロッピーで起動。 このフロッピーの中には、あらかじめP2B用の最新のBIOSが 入れてあります。 2.装置のROM切り替えスイッチを「だいじょうぶ」側(RD1側)に変更。 3.P2Bの最新BIOSをRD1へ更新。 つまりP3B-Fを使って、RD1ROM側へ、P2B用のBIOSプログラムを書き込みます。 このとき「The BIOS Model doesn't match with the one currently used. Continue(Y/N)? といった警告がでました。P3B-FとP2BでBIOSプログラムの種類が違うけど 本当にこれで更新するのか?という警告ですね。 P3B-FのオリジナルROMに書き込むと大変なことになりますが(^^;)、 RD1側に確実に切り替えましたし、かまわずYで進めるのでした。 4.無事P2BのBIOSがRD1ROM側に焼けました。 P3B-Fのマザーボードから、RD1装置を取り外します。 5.マザーボードをP3B-FからP2Bに交換します。 ROMのところには、上記4のRD1を取り付けます。 そのRD1の上に、秋葉原で買ってきた新品ROMを装着します。 こんどは、向きを間違えないように、慎重に行いました(^^;)。 6.切り替えスイッチをRD1側にしてMS-DOSのフロッピーから起動。 無事起動できました(^^)。やっぱり、壊れたのはROMだけで、 マザーボードの他の部品は無事だったようです。 7.切り替えスイッチを新品ROM側に切り替えて、 BIOSの更新をします。 無事P2BのBIOSプログラムが、新品ROMに更新されました。 8.切り替えスイッチが新品ROM側の状態で、MS-DOSを起動。 無事起動しました。 その後、Windowsを起動してみましたが正常(^^)。 江南電気のおじさんは、互換性のあるROMをちゃんと売ってくれたのですね。 ありがたや。 9.半分熱で溶けてるけど、AWARD社のシールを新品ROMの上に貼って おきます(^^;)。 10.P2BからRD1は外して新品ROMだけにして、箱に保管。 RD1はP3B-Fに戻しました。 メインマシンは、作業前のP3B-Fのマザーボードに戻す... という予定でしたが、 ASUS社のK7Mに交換。 Athlon600のCPUを譲っていただいたので、マザーボードも Athlon用のK7Mに交換となりました。 かくてP2BとP3B-Fは、どちらも箱の中へ(^^;)。 P3B-Fは、近日、サブマシンへ取り付ける予定です。 サブマシンで現在稼動中のABIT社のBM6は... 知人にお譲りする予定です。 実は、P2BとP3B-Fは、親戚みたいなマザーボードなので P3B-Fを使ってP2BのBIOSの更新ができたのです。 マザーボードのタイプが異なる場合は、通常はBIOSの更新は できません。 NIFTYには<Extender Forum(PC POWERUP)> FEXTPUP というフォーラムがあって、壊れてしまったROMの復旧を手助け していただける場合があるようです。 NIFTYの会員なら、このフォーラムで救済していただける かもしれません。 (2000年3月20日) |