SIMO さん から頂戴した登山記録です。
 登山日:2007年8月13日(月)
 投稿日:2007/8/14 / 掲載日:2007/8/19

 
<須走口>

お子様とご一緒に、おニ人で登られたそうです。
たいへん詳細な内容で、参考になることもたくさん書いてくださいました。



 貴サイトを参考にさせていただき、8月13日(月)に須走口より登ってきました。
初挑戦でした。子供と2人で最高の思いをしてきました。
皆さんの参考になればとメールさせていただきます。

マイカー規制のない須走口に決め、事前の情報では日帰りはきついとわかっていながら、少々なめていましてかなりきつい思いをしました。

私は54歳普通のサラリーマンです。学生の頃はテニスをしていて人並みな体力はあるつもりですが、最近はめっきり動くことが少なく、ちょっとした階段でも息が切れそうになり、やばいなぁと思うことが増えてきました。

一緒に行ったのは中一の娘。細い体でろくに食事をしないので、パワーはありませんが、バレーなど習っているおかげか、結構持久力はある方なのかもしれません。(今回特に再認識しました)

予定を立てていた時には、早朝明るくなってから登り始めればと思っていましたが、色々サイトを見ていると時間的に帰りが暗くなる可能性があると思い、予定時間を少し早めて前日8月12日夜に駐車場に入り、仮眠をして暗い内に登り始めることにしました。

8月12日21:30 国立府中IC入

21:55談合坂 22:05発

22:24頃河口湖の手前で、水平線の少し上に亡霊のように光の線が浮いて見える。(富士登山の光の列が見えたのだと思います)

22:29富士吉田IC通過

22:41須走IC出

23:07須走駐車場着(既に満車で路上駐車が1.6kmつづいている)路上駐車し、仮眠
寝る前に夜空を15分くらい見る。天の川が肉眼ではっきりと見え、流星も2つ見えた。娘に星座の説明とかする。


8月13日(月)3:30起床
なんと雨が降り出していた。あまりひどくは無いが、この先が思いやられる。少し寒そうなので、長袖を着てその上にカッパを着る。いよいよスタート。

3:47車をスタート

4:15ようやく5合目菊屋着。金剛杖2本購入。お茶と梅干しをご馳走になり、「行ってらっしゃい」の声に押されて出発

4:35 出て階段道を過ぎたところすぐに古御岳神社。柏手打って、無事に山頂まで行き着けますように。

4:47休憩しばらく森の中 4:51発

5:15休憩 5:20発 雨が弱くなってきた。嬉しい。

5:47森の中から左にちょっと出たところで休憩と着替え。雨が完全にやみ、カッパを脱ぐ。日が差してきて青空が広がり、上には山が赤黒く見え、下には雲海が。5:50発

5:54休憩と写真。5:57発 この辺りで、下が砂交じりの所は滑って登りづらく娘が地面に向かって悪態をついている。

6:10ようやく、待ちに待った新六合目長田山荘に着く。200円で焼き印をして貰う。小屋に入っていくと、「小屋は休憩料を出さないと、勝手に入ると怒られることもあるからね」と教えてもらう。6:25発 しばらく白樺林の中を進む。比較的歩きやすい道。

6:38休憩6:42発

7:02本六合目瀬戸館着 ベンチで休憩7:07発 暖かいので長袖を脱ぎ腰に。

7:20休憩7:25発

7:35休憩7:40発 

8:00七合目太陽館着 8:05発

8:15休憩8:20発

8:33休憩8:37発

8:47休憩8:48発

8:52本七合目見晴館着 休憩とトイレ9:08発

9:17休憩9:20発

9:25休憩9:30発 風が寒いので再び長袖を着る。

9:45八合目江戸屋(皇太子殿下ご宿泊の看板) 9:55発もブルドーザーの通過待ちで3分足止め9:58発

10:05休憩10:10発

10:23休憩10:30発

10:43本八合目胸付江戸屋着 時間的に頂上へ行けそうな目処が立ち、頂上で出す葉書を半分書く。10:58発

11:05休憩11:12発

11:17休憩11:22発

11:26八合五勺御来光館着 着くまでここが九合目と思っていたので実はショック。かなり消耗が激しい。気を取り直して11:30発

11:40休憩11:45発

11:50休憩11:55発

12:02九合目鳥居着 12:08発 もうここまで来れば、頂上は目の前。少し元気が出る。ただ勾配が多少きつく、足には負担大。

12:21休憩12:25発

12:35休憩12:40発

12:45休憩12:50発 この辺り頂上を目前にしてやたら休憩を取っているのは、勾配がきついことと、体力(脚力)が消耗していることと、空気が薄い為か多少息が上がるのが早いことと、タイムスケジュール的に少し余裕がある(つもり)等々の理由。

13:00やったー!!山頂鳥居に到着。登る前に考えていたうちでは最も遅い時間だが、途中のきつさを考えると良くやったと思う。

13:10山頂山小屋で醤油ラーメン。おみやげを少し買い、書いた葉書を店の人にお願いする。(郵便局までの往復40分がもったいない。店の人に聞いたら、おみやげを買ってくれたら出してあげると言うのでお願いした)

13:35山頂山小屋前のベンチで寝転がって日向ぼっこ。空が青い。幸せ。

13:45登りで飲みきった飲み物を補充。持って登ったのが、500ペットボトル2個(ポカリと氷晶レモン冷凍)マホービン500が1本、350が1本いずれも麦茶+氷。
買ったのはお茶と水。500円と400円。

13:50火口を見にちょっと降り、写真などとる。

13:55下山開始。暗くなる前に下に着く為に、余裕を持って出発(のつもり)
下山道は、砂利道続き。快調にとばす。

14:40本八合目の辺りでWC休憩14:49発

15:03八合目江戸屋の横、左河口湖口右須走口の看板

15:09休憩15:14発

15:33休憩15:37発

15:53七合目横を通過

16:00休憩16:10発 この先砂走りが延々と続く。最初は快調だったが、いつまでもいつまでも続くので、途中から腹が立ってくる。良い休憩場所もないし、砂埃はひどいし、足は限界を超えているし。この下りが一番辛かった。
いい加減長い下りに僻易しているところに、山小屋まであと10分の小さな標識。この後一旦森の中を通過してまた砂利道に戻る。とても10分では無理と思う。

17:00休憩17:03発

17:25ようやく砂払い五合吉野屋着。17:28発 おじさんに「あと30分だから頑張れ」と言われたが、全然信用していない。最後の気力を振り絞ってラストスパート。
この間、もう後少しという気持ちが出て、砂利道もわずかで、最初に登った森の中の道に戻るので、あとどのくらいという感触も得て少し元気がでる。休憩なしに五合目へ。
 古御岳神社が見えて、戻ってきたのがわかる。嬉しい!

18:00五合目に無事着。東富士山荘のお兄さんに、キノコ茶(椎茸舞茸松茸といっていました)をいただく。美味しい。

靴の中と靴下の中に、大量の砂(というか、細かい細かい黒い火山灰?)が入っている。一部はこの時に出したが、大部分は家まで持ち帰った。
山小屋の中に入って氷イチゴを二人でつつく。
おみやげなど少し見てから道を降りる。

19:35に車(1.6k下)まで着。乗る前にお互いの服を払う(埃が凄い。紺のズボンがグレーになってる)と言っていたのも忘れて乗り込んでしまった。

帰りに、事故渋滞と自然渋滞が重なり談合坂が大混雑らしくスルー。国立ICに着いたのは22:20をまわっていた。居眠り運転との勝負がまたきつかった。

靴は普通の運動靴でしたが、あのまま雨が続いていたらグジョグジョになっていたと思います。防水仕様の登山靴がやはり安心と思いました。

雨でリュックがびしょぬれでした。すぐ止んだから良かったですが、濡れない工夫が必要と思います。

上の方は風がかなり強く、寒いです。長袖は必須ですが、風を通しにくいものが良いと思いました。

飲み物の量はだいたい予想通り登りで一人あたり1リットル弱でぴったりでした。休憩ごとに少しずつ飲んだだけですが、結構無くなるものです。

懐中電灯が、雨のせいか一本がすぐにつかなくなりました。防水型の用意があると良いと思いました。

帽子をかぶっていきましたが、8合目以上の風は予想以上でした。二人ともぴったりしたかなりきつめの帽子で、とばされることは無かったですが、途中不安になって頭を押さえることもしばしばでした。出来ればひも付きがベストと思います。

日焼け止めをかなり厚く塗ったので、顔は大丈夫でしたが、手の甲を塗り忘れて、真っ赤っかで今痛いです。

下りの砂走りでは、埃よけのタオル(あるいはマスク)は必須です。二人ともタオルが真っ黒になりました。

おやつ等はほとんど持ってゆきませんでした。荷物が重くなるのがいやだったからですが、正解だったと思います。飴だけは持っていきました。これも正解だったと思います。

食事は、前日夕食を19:00頃食べ、小さめのおにぎりを7個作って背負っていきました。登りの一時間毎に一個二人で分け合って食べました。ちょうど良い具合でした。


 新六合目で、地図の横に所用時間が書いてありました。(休憩を入れない時間)それと実際にかかった時間を併記しておきます。

左から順番に、標準時間(地図に書いてあった)、かかった時間(分)、(休憩時間/回数)、正味時間です。地図には八合五勺は書いてありましたが、時間は本八合目〜九合目ととばしていたと思いますので、八合五勺〜九合目の標準時間はなしです。

区間・地点 標準時間 所要時間
(含休憩)
休憩時間/回数 正味時間
五合目〜新六合目 90 95 15/4) 80
新六合目 15
新六合目〜本六合目 40 37 4/1) 33
本六合目
本六合目〜七合目 60 53 10/2) 43
七合目
七合目〜本七合目 30 47 (10/3) 37
本七合目 16
本七合目〜八合目 30 37 8/2) 29
八合目 13
八合目〜本八合目 20 45 12/2) 33
本八合目 15
本八合目〜八合五勺 30 28 (12/2) 16
八合五勺
八合五勺〜九合目 32 (10/2) 22
九合目
九合目〜頂上 30 52 14/3) 38
合計 5:30 7:06 区間1:35/21回
地点1:19/ 8回
5:31

五合目〜頂上までの合計は
5:30 8:25 (2:54) 5:31
となり、合計時間では(休憩を除き)5:30のちょうど平均値だということなのでしょう。つまり、休憩の標準値は、その正味時間の約半分強と考えておけば良いのだと思います。予定では、15分から20分登ったら5分の休みと考えていましたが、最初は守れたが、頂上付近では10分以下に一回の休みとなりました。一回の休み時間約5分間を最後まで守れたのも良かったのだと思います。

下りは苦戦しましたが、標準時間(正味3時間)に対し、3時間31分とまあまあ標準的だったのではないでしょうか。実時間は、4時間5分でした。

 朝3:47に出発してから、夜18:00に車に着くまで、約14時間以上ほとんど歩いていたことになります。私は登りで足が上がらなくなり、下りでは足がばたばたで力が入らず、急ぐと転けそうで(実際3〜4回尻餅をつきました)時間が結構かかりました。

 転けたとき手をついて、砂でちょっとけがをしました。手袋をしていなかったのです。軍手は登るときに手をかける際に必要と考え、持って行ったのに全く使いませんでした。ちゃんとしていれば、けがをしなくてすんだかもしれません。

 下りの長い長い砂走りに、全体で何メートルで今全体の何分の一まで来たという表示があると、もっと良いのにと思いました。降りている時はまだかまだかと思い、気持ちが切れそうになるのです。

娘は、思っていた以上に脚力があり、登りの急な(階段状の)岩場を苦もなくスイスイ登ってくれたので、滑りやすい砂地で苦労した分を取り返すことができたと思います。
 また、二人とも心臓は強い方なのかあまり息切れで苦しむことはありませんでした。かなり頻繁に休憩したのも良かったのだと思います。

 長くなりました。途中の時間のかけ方、登りの実時間と休憩時間と回数を書いてあるサイトがすくなかったので、全部記録してきました。その部分だけでも参考にしていただけるのではないかと思い、メールすることにしました。

 雨がわずかで上がって良い天気になったこと。時間配分も余裕をみたつもりがぎりぎり間に合ったこと。前日夜すばらしい天の川を見られたことなど、たくさんのラッキーに恵まれ、親切な山小屋のお兄さんや、途中何度も顔を合わせながら登ったおじさん二人組など、良い方たちに巡り会いながらの幸せな時間でした。

 真っ青な空と、赤茶けた山肌と、綿飴のような雲海も忘れられないことでしょう。
 途中で、頂上で出す予定の葉書に絵(スケッチ)を描こうと思っていましたが、その余裕はありませんでした。

 娘にとっては、貴重な経験となったことでしょう。山に悪態をつきながら最後まであきらめずについてきた根性はなかなかと思いました。

 以上、長くなりましたが、予定通りも予想外もありながら、何とか頂上から下界を睥睨して帰れた記録です。

 皆さんの参考になれば幸いです。

.

 
詳細で大変参考になりました光司 - 2007/8/19

SIMO
さん

「登山記録」をお送りくださり、ありがとうございます。
すぐに掲載できず、申し訳ございませんでした。

初めての富士登山で、こんなに詳細な記録を残すというのは、すごいことです。

リュックは、防水カバーを持参するとよいですね。軽いのでさほど荷物にもなりません。リュックの中も、直接物を詰めず、先ずゴミ袋をリュックの内側にセットして、その中に物を詰めると、リュックの中のものが濡れずに済みます。

記録だけではなく、時間配分の目安や装備のことなど、とても参考になることを書いていただきました。ありがとうございました。


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