高山病(山酔い)対策高山病の防止と 万が一の対処について |
掲示板のNS−METHODさんの書きこみを拝見して、1999.8.25に急遽このページを作成いたしました。 新五合目でも、既に薄い世界で、山頂では平地の3分2程度しかありません。 地上では、浅い呼吸、無意識呼吸をしていて不都合が生じなくとも、富士山では通用しません。 「高山病」とは? 【高山病の防止】
【万が一の対処】
【外務省海外安全相談センターの「ペルーにおける高山病対策」】 富士山における高山病対策の参考になると思います。 1.元気に動き回った人ほど発症しやすい。 2.アルコールや睡眠薬の内服は避けるべき。 3.水分を十分に取る。 4.すぐにエネルギーになる炭水化物を多く摂取する。但し食べすぎに注意。 消化剤は服用してよい。 飴はいいが、チョコレートは脂肪分が多く食欲低下の原因になるので 高地では避けたほうが良い。 5.首を激しく振る運動は避ける。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/cs_ame/peruacut.html 富士山では元気に走り回るのは危険な行為です。酸素消費量を増加させ、高山病を招きます。 特に、お子様と一緒に登山する場合は、お子様が走らないように十分注意してください。 【有圧呼吸法】 国立天文台ハワイ観測所 「マウナケア山頂すばる望遠鏡訪問者安全心得」に書かれている情報です。 気分が悪いときには早い呼吸は避け,有圧呼吸法を行ってください。 有圧呼吸法とは大きく息を吸い込み、2秒ほど呼吸を止めるとともに、 胸に圧力をかけるように力を入れた後、ゆっくり口から吸い込んだ空気を出す。 これを5ー6回繰り返すと、血中の酸素濃度が上がり、楽になります。 http://subarutelescope.org/Observing/Proposals/Visit/SafetyAdvice_j.html 【ダイアモックス(Diamox)】 高山病の予防薬、治療薬には「ダイアモックス」という薬(製品名です)があります。 「アセタゾラミド」、「アセタゾールアミド」(これは成分名です)と呼ばれることもあります。 服用したことは無いので効果はわかりません。 関心のある方は「日本旅行医学会」のホームページに、認定医リスト(地域別)がありますので、 お尋ねになってみてください。 「日本旅行医学会」のホームページ ⇒ http://www.jstm.gr.jp/ 【アスピリン】 脱水症状によって、血管の中に不要な血栓が形成され、血流を妨げる。これが過度に生じると、 心筋梗塞や脳梗塞に繋がる場合があります。このことからも、十分な水の補給がいかに大切であるか がわかります。 一番大切なのは、水分の補給なのですが、アスピリンを服用することで、血液をサラサラの状態にし 血栓ができるのを防ぐこともできます。 アスピリンは、製品名「バファリン81mg錠」、「バイアスピリン」として市販されています。 「バファリン」には成分「アスピリン」を含まないものもあるので注意が必要です。 また、お医者さんに処方してもらうのが推奨です。 副作用もありますので注意してください。 ・怪我をして出血したとき、なかなか血が止まらなくなる ・胃腸障害になる可能性がある 参考:日本山岳会医療委員会 アスピリンの“血液さらさら”と登山について ⇒http://www.jac.or.jp/info/iinkai/iryou/page-03-044.html (2008年8月4日追記)
【腹式呼吸の練習をする】 ●健康によい腹式呼吸 もし、まだ登山予定日までに日にちがあるようでしたら、腹式呼吸の練習をすることをお勧めします。 これは、高地専用ということではなく、普段日常生活をする上でもよい呼吸法だからです。 普段の日常生活から、腹式呼吸をしていれば、富士登山でも役立ちますし、高山病になりにくい体質 になれます。また、万が一高山病になってしまっても、有圧呼吸法の効果がすぐに出せるような体質 に改善できます。腹筋や横隔膜を活性化させ、健康によい呼吸法なので身につけてください。 腹式呼吸で重点を置くべきは、「二酸化炭素を吐ききる」という点です。二酸化炭素を出し切らないと、 酸素を十分に吸うことはできません。ですので、吸うことよりも吐くことに重点を置いてください。 呼吸の順番は、 (1)二酸化炭素を吐ききる (2)酸素を吸う です。「吸ってから吐く」のではありません。「吐いてから吸う」のです。発想・考え方を変えてください。 ●具体的な手順 具体的な手順は、 (1)大きく口を開けて、息を吐く(大きな声で「ハー」と叫ぶような感じ) (2)口をすぼめて(麺類をすするときのように)、さらに息を吐く(ろうそくの火を消すような感じ) このとき、お腹はいっぱいへこませます。 (3)鼻から息を吸う。このとき、お腹は膨らませます。 です。(1)と(2)は急がずに時間をかけてゆっくりでかまいません。 さらに、イメージを加えるならば、 (1)と(2)では、不要になったガスを排出するイメージ (3)では、新鮮な酸素が体の隅々まで行き渡るようなイメージ です。これはヨガの呼吸法にも通じるところがあります。 日常生活の中で「大きく口を開けて」というのは、時と場合によっては難しいかもしれません。 それでも、(2)と(3)だけなら、できると思います。 十分に息を吐ききれば、おのずと息を吸う(新鮮な空気を取り入れる)ことができます。 ●風船を使う 目に見える形で腹式呼吸の練習をしたい場合は、「風船を使う」方法がお勧めです。 (1)口をすぼめて風船を膨らます。このときお腹をへこませて、完全に息を吐き切る (2)鼻から息を吸う。このとき、お腹は膨らませます 順番は(1)→(2)です。(2)→(1)ではありません。 (1)→(2)を繰り返します。 この練習法では、大きく口を開けて息を吐く練習はできないのですが、腹式呼吸の練習になります。 この練習を重ねると、1回の息で膨らむ風船の大きさが、始めた頃に比べ次第に大きくなります。 つまり肺活量が多くなるのです。肺活量が多くなれば、より多くの酸素を体内に取り込むことも できるようになります。目に見えてわかりやすい方法であると思います。 腹式呼吸は、1500円の酸素ボンベを買って使うことよりも効果があります(酸素ボンベを否定してい るわけではありません)。小さなお子様には、なかなか難しいかもしれませんが、複式呼吸を使って 脳をはじめ、体全体に十分な酸素を取り入れることは、とても重要なことなのです。 腹式呼吸のおかげで、歌まで上手になってカラオケでも高得点になる....かもです。 (1999年8月25日・2008年7月31日一部追記)
【関連記事】●富士山に登った子供の55%が高山病(山酔い) |
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