2014年・富士山関係のニュース
●静岡県側10日の山開き、ルートは「須走り」のみ

静岡県は7月4日、須走(すばしり)、富士宮、御殿場の登山ルートのうち、7月10日の山開きで登山規制を解除できるのは、須走ルートのみになると発表しました。

須走ルートは、7月10日午前9時から、登山が可能となります。

静岡県が7月2日に行った残雪の調査によると、御殿場ルートの積雪は八合目で約2m、富士宮ルートは山頂付近で約3mであったそうです。そのため、7月10日・山開きでの規制解除は見送られることになりました。

御殿場ルートと富士宮ルートについては、7月8日に改めて調査を行い、規制解除の日を決める予定です。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014070502000135.html

http://www.yomiuri.co.jp/local/shizuoka/news/20140704-OYTNT50365.html


(ご参考)2014年の登山期間
山梨県側静岡県側
7月1日〜9月14日7月10日〜9月10日


(ご参考)静岡県側の規制解除日
-須走富士宮御殿場
2013年7月1日7月8日7月1日
2012年7月13日7月13日7月20日



●山頂のトイレは、使えない期間があるので注意が必要です

2014年は、静岡県側と山梨県側で、登山期間が異なります。
山頂のトイレは、7月1日〜7月9日、9月11日〜9月14日の期間は、利用できません。
山頂のトイレの利用については、静岡県側の登山期間に合わせているためです。
利用できる期間は、7月10日〜9月10日になりますのでご注意ください。

関連リンク
富士山のトイレ


●国土地理院が山頂の住所誤表記を修正

国土地理院が提供している「地理院地図」で、山頂の住所が誤って「静岡県富士宮市」と表記されていました。
「地理院地図」には、マウスで右クリックをすると、住所が表示される機能があります。
誤って表記されていた期間は、2013年4月から2014年6月の上旬にかけてです。
頂上付近は、住所が表示されないように修正されました。

富士山は、八合目から頂上まで土地は、静岡県でも山梨県でもありません。
日本国の領土ですが、県境が無く、どこの県にも属していません。
そして、登山道、トイレ、測候所などを除いて、所有権は「富士山本宮浅間大社」にあります。
八合目から上は、富士山本宮浅間大社の境内(けいだい)です。

徳川家康が、富士山の山頂は、浅間大社のものだと決めました(1609年)。
明治になって、地租改正により、いったんは国の所有になりましたが、
1974年(昭和49年)の最高裁の判決で、八合目から上は浅間大社のものとなりました。

浅間大社の私有地ですが、国立公園に含まれています(富士箱根伊豆国立公園)。




●救助訓練や登山客の質の低下に思うこと

2014年6月30日、富士宮口登山道で、静岡県警察と富士宮市消防本部による合同の救助訓練が実施されました。訓練には15人が参加しました。 遭難した登山客が、携帯電話で救助を求めたことを想定して、訓練が行われました。 2013年の遭難者は、2012年の1.5倍の106人に達しました。1973年(昭和48年)からの統計で、最多数となる不名誉な記録を更新してしまいました。

富士山は、2013年6月22日に世界文化遺産に登録されました。喜ばしい反面、登山客の質の低下が目立つようになりました。 軽装や無計画で登る人、ゴミを持ち帰らず散らかす人、山小屋で夜中に大声で騒ぐ人。 道徳が身についていない、ルールやマナーを守らない、富士山に感謝をしない、他人に迷惑をかける質の低下した人たちが登るのは、好ましくありません。

登山が目的ではなく、観光で五合目に行くなら、ハイヒール、サンダル、革靴でも問題はありません。ですが、登山が目的ならそのような履物は場違いです。

富士山は、世界文化遺産に登録されましたが、宿題が残されています。 2016年2月までに、富士山の保全状況に関する報告書を提出しなければなりません。 提出できなければ、登録を取り消されることでしょう。

報告書を提出するめには、世界遺産にふさわしい保全策が実施されていなければなりません。登山客一人ひとりが、ルールやマナーを守らなければ、美しい景観を維持することはできません。

富士山にとって、いちばんインパクトがあるのは、登山客である人間です。「自分が富士山に来たときよりも、富士山をきれいにして帰る」、「ゴミ袋を持ってゴミを拾いながら下山する」といった、質の高い人 意識の高い人が、一人でも多く増えて欲しいです。


「ハイヒールや背広姿も」富士山登山者の質急落 世界遺産登録1年、ごみ散乱、遭難者最多に
世界遺産登録に沸く一方、「登山者の質が落ちた」と関係者の嘆き
2014.6.23 14:50
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140623/trd14062314500010-n1.htm

「富士登山、充分な装備で」山開き前に救助訓練
2014年06月30日 14時53分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140630-OYT1T50080.html



●富士山登山道に排泄物の放置

静岡県が9月14日に登山道を調査したところ、須走口5〜6合目の17カ所で、排泄物が放置されているのが見つかりました。 人目のつかない岩陰や草むらの中で、ポリ袋に入っていたり、ティッシュで隠された状態で見つかったそうです。 富士山は、気温が低い場所なので、排泄物が分解されずに残ってしまうことが多く、 分解されたとしても土の栄養分が高まることで植生が変化し、富士山の景観を損なう可能性があるそうです。

世界文化遺産に登録された富士山ですが、2016年2月までに、富士山の保全状況に関する報告書の提出が義務付けられています。 このような状況が続けは、登録の取り消しにもつながりかねません。入山に何らかの規制がかかることも、致し方ないのかもしれません。

繰り返しになりますが、道徳が身についていない、ルールやマナーを守らない、富士山に感謝をしない、他人に迷惑をかける質の低下した人たちが登るのは、好ましくありません。 本当に、質の高い人、意識の高い人が、一人でも多く増えて欲しいです。


富士山に排泄物放置 須走口登山道17カ所「不謹慎」 静岡
産経新聞 9月17日(水)7時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140917-00000014-san-l22



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