[電力会社の犯罪]
■九州電力が玄海原発の再稼働のために子会社を使ってやらせを実施
 

経済産業省は、2011年6月26日に佐賀市において玄海原発再起動の県民説明会を開きました。この説明会は、地元のケーブルテレビにも中継されました。
県民の出席者は、経産省が選んだ7人に限定された説明会で した。九州電力は、事前に子会社の社員に対して、再稼働に賛成する意見を一般の市民を装って電子メールを使ってテレビ番組に送るよう指示をしていました。 再稼働に賛成する意見をふくらませるための、意図的で悪質な操作を行ったのです。自作自演で、多数の再稼動賛成メールを、一般市民を装って番組に送りつけ たのです。しかも、会社のパソコンではなく、自宅のパソコンから一般人を装って送信するよう、「隠蔽(いんぺい)工作」も指示していました。

この、子会社への指示は、九州電力本店原子力発電本部の課長級社員のメールアドレスから、西日本プラント工業、九電産業、西日本技術開発、ニシム電子工業 の4社の各責任者に送られていました。子会社の社員はあわせて約2300人になりますが、最終的に指示された人数はわかっていません。

国会で、7月6日に、共産党の笠井亮衆院議員が追求をしたため、九州電力が、この事実を認めました。認めたのは笠井亮衆院議員によって追求された後のこと です。記者会見の席で、九州電力の真部社長は、「指示はしていない。責任は私にある。」と発言しました。

ならば、社長の指示を仰がずに、このような反社会的な恥ずかしい為を行った社員は誰なのでしょうか?

原子力発電に関する問題を集中審査するため、鹿児島県議会の原子力安全対策等特別委員会が7月4日に開かれました。九州電力の山元春義副社長(原子力発電 本部長)、中村明上席執行役員(原子力発電本部副本部長)らの幹部を参考人招致し、福島第1原発事故後、国の指示を受けて実施した緊急安全対策や重大事故 を想定した措置について質疑を行い、川内原発の安全性を協議しました。この4日の県議会の席で、九州電力の山元副社長と中村上席執行役員は、「やらせメー ル」を追及されたにもかかわらず、事実ではないと否定しました。中村上席執行役員は、「こういう番組があるという連絡はしたが、どうこうしろと言った事実 はない」と否定していました。

7月4日 鹿児島県議会

九州電力
山元春義副社長
中村明上席執行役員
(県議会からの質問)
関係社員に対して運転再開を容認するメールを送るよう指示していたのではないか。もしこれが事実ならば、電力会社と住民との信頼関係を大きく損なうことになる

(中村明上席執行役員の回答)
当社としてはそのようなことを依頼した事実はありません。こういう説明会が開かれるということは連絡しましたが、これに対して、どうしろといった事実はございません
7月6日 衆院予算委員会

共産党
笠井亮衆院議員

九電玄海原発の運転再開に向けて経済産業省が6月26日に開いた佐賀県民への「説明番組」に対し、関係会社の社員らに運転再開支持の“やらせ”メールを投稿するよう組織していたことを示して追求

・国民の安全より原発再稼働を優先することは許せない

・各自治体に原発の再稼働を要請している政府の
 「安全宣言」に根拠がない


菅直人首相は、再稼働の判断について「原子力安全委員会もかかわった形の新たなルールを作り、国民が納得できる判断が出せるよう指示している」と答え、再稼働要請を見直す考えを表明
7月6日 九州電力
真部利応社長
最初は、社長が指示をしたのかどうかについて
ノーコメントの姿勢

途中で、社員から差し入れされたメモを見ながら答弁を変更

・指示はしていない。責任は私にある。
7月7日 鹿児島県議会

九州電力
山元春義副社長
・県民の皆さまにご迷惑を掛け、信頼を損なうことになりました。
 誠に申し訳ないと思っています

7月7日になり、山元副社長は、鹿児島県議会を訪ね、「県民の皆さまにご迷惑を掛け、信頼を損なうことになりました。誠に申し訳ないと思っています」と謝罪しました。

鹿児島県議会において、副社長と上席執行役員がそろってウソの供述を行ったわけですが、これはとんでもない話です。衆院予算委員会で追求されてから認めたのです。
鹿児島県議会を侮辱したに等しい行為でしょう。

九州電力の役員は、東京電力福島第一原発の事故の重大さが理解できていないのでしょうか?それとも、所詮は、遠くで起きている他人事なのでしょうか?未だ に収束の目処もたたず、放射性物質が放出され続けているのです。同じ電力会社として、原発を扱うものとして、原発の危険性を改めて認識しているはずなので すが、九州電力はその認識が欠けているのではないでしょうか。

民意をしっかりと受け止めて、その結果を踏まえて再稼動の是非が決まるべきです。民意を正しく受け取るつもりは無く、
世論操作をして、再稼動の賛意をふくらますというのはいかがなものでしょうか。

社長、副社長、上席執行役員がそろいもそろって、このような体質の会社なのです。原発が危険なものであることが認識できたならば、ガスタービンコンバイン ドサイクル発電にするとか、そういった方針の転換さえできない、経営の硬直した会社なのでしょうか。それとも、やはり東京電力福島第一原発の事故の重大さ が理解できていない、他人事なのでしょうか?

蒸気タービンを回して発電するだけなのに、何故わざわざ危険な原子力を使うのでしょうか。熱効率が30%程度しかない原発に、何故固執するのでしょうか? 福島第一原発の事故で、日本の経済は破壊され続けています。福島県民の避難民の方々は、東京電力がバラ撒いた放射性物質によって、故郷を破壊され、人生を 破壊され、健康を破壊されました。長年にわたり、原子力利権に浸ってきたためなのか、電力会社の役員には、もはや正常な思考判断ができる人間が存在しない のでしょうか。収束の目処さえたっていないのに、まだ目が覚めない人達が、電力会社を経営していると思うと、背筋が寒くなります。
九州電力の役員は、国民の安全よりも、世論操作をしてまでも原発の再起動を優先する許しがたい行為をする人達です。

このようなことをする電力会社の電気は、使いたくないと思われてもしかたがないでしょう。しかし、地元の一般の家庭や企業は、九州電力から購入するしかないのです。
ここに電力会社のおごりがあるように見受けられます。これも、電力会社の地域独占の弊害です。またひとつ、電力自由化と発送電分離が必要なことが明確になりました。


(関連記事)
子会社社員に原発再開賛成メール促す 九電、番組向け
http://www.asahi.com/national/update/0706/SEB201107060033.html

九電副社長、鹿児島県議会に謝罪=「やらせメール」を答弁で否定
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011070700733

社説:九電やらせ指示 変わらぬ体質に驚く
毎日新聞 2011年7月8日
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110708k0000m070124000c.html


九電過去にも社員ら動員、原発地元説明会に

玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働を巡る「やらせメール」問題が発覚した九州電力が過去、
プルサーマル発電計画を進めるため地元で説明会を開いた際、会場に社員や関連会社員を動員していたことが9日、九電の内部調査でわかった。同社は川内原発(鹿児島県薩摩川内市)3号機の増設計画でも、同様に動員をかけており、同社の“やらせ体質”が改めて浮き彫りになった。

(2011年7月9日 読売新聞)
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20110709-OYS1T00437.htm


社内照会にやらせメール否定 九電の原子力発電本部

 九州電力の「やらせメール」問題で、九電の広報部門が原子力発電本部に事実関係を照会した際、
同本部側がやらせを否定していたことが9日、関係者の話で分かった。会社として実態把握のチャンスを逃し、対応遅れにつながった。

2011/07/09 18:50 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011070901000687.html



[電力会社の犯罪]
■佐賀県は「やらせメール」のことを事前に知りながら県民説明会を開いた

(引用ココから)
---------------------------------------------------------------
「こんなことがあっていいのか」九電メール、内部告発で発覚 番組前、佐賀県にも情報
2011.7.9 08:14

 原発の安全性を説明する番組をめぐって起きた九州電力の「やらせメール」問題は、関連会社社員の内部告発がきっかけで発覚したことが9日、関係者の話で 分かった。また、九電側が、玄海原発(佐賀県)の運転再開に賛成する意見を番組に送るよう子会社社員らに依頼したメールの存在は、番組放送の直前に佐賀県幹部に伝えられたが確認作業がなされないまま番組が進行していた。

 佐賀県の武藤明美県議(共産)らによると、番組前日の6月25日に知人を通じ、九電からの依頼が記された文書を入手。文書には九電が子会社に送ったメー ルと同趣旨の内容が記されており、関連会社社員が武藤議員の知人に「こんなことがあっていいのか」と知らせたという。武藤県議は番組放送直前の26日朝、佐賀県幹部に「九電側が、番組中に賛成のメールを送るよう指示した文書がある」と伝えたが、県は九電に事実関係を確認しないままだった。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110709/crm11070908150000-n1.htm

----------------------------------------------------------------
(引用ココまで)

6月25日 武藤明美県議 九電からの依頼が記された文書を入手
6月26日 佐賀県幹部 武藤明美県議から、やらせメール指示文書の件を知る
6月26日 県民説明会 何事も無かったかのように、県民説明会の開催
出席した県民は、経産省が選んだ7人だけ

これはひどい。佐賀県の幹部が無能なのか。それとも、無視したのか。無視をしたのなら、
佐賀県は経産省とグルだった、「説明会自体がやらせ」だったと思われても
しかたがないでしょう。




[電力会社の犯罪]
■やらせメールで賛否を逆転させる世論操作を行った九州電力


九電の内部調査によると、九電本社の指示に従って、国主催の佐賀県民向け説明会に、再稼働への賛成意見を投稿した社員らは、130人を上回るということです。
これは7月13日の時点での情報です。14日の中国新聞の報道では、やらせによる意見投稿は150人を超えるとも報道されています。


玄海原子力発電所2、3号機の再稼働について

賛成286件(メール226件・ファクス60件)
反対163件(メール119件・ファクス44件)

やらせのメールを130人で修正してみると

賛成156件
反対163件

となり、再稼働反対の意見のほうが上回っていた事実がわかります。

やらせのメールを150人で修正してみると

賛成136件
反対163件

となります。

いずれにしても、再稼動には反対という意見のほうが多かったわけです。

九州電力が14日午後、経済産業省に提出した調査結果によれば、原発担当だった段上守(だんがみ・まもる)元副社長=6月末で退任=が、原発部門の部下や佐賀支店長(現佐賀支社長)に「参加者を増やして議論を盛り上げてくれ」と指示し、これを発端として、やらせが組織的に行われたとのことです。

このような、汚い醜いことをしてまでも、原発を動かしたいのでしょうか。
発電に原子力を使うのは、あまりにもリスクが高く、被害者に償いきれないことは東電の福島第一原発の事故を見ればあきらかです。九電は、この事故から学ぼうともしない。まるで他人事のようです。

真部利応社長は5月18日の記者会見で「燃料は7月中旬以降、調達のめどが立っていない」「燃料情勢が厳しくなっている」など、事実に反する発言もしています。本当に信用できないデタラメな会社だと感じました。


九電、経産省に午後報告 メール問題、150人超が意見投稿か
(2011年7月14日 中国新聞)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201107140146.html

やらせメールで賛否逆転、九電指示で投稿130人超
(2011年7月13日 読売新聞)
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20110713-OYS1T00726.htm



[電力会社の犯罪]
■反省のない九州電力会長の世論誘導


2011年7月11日に取材の記者たちの前での発言。

「(九州電力は玄海原発が再稼働しないために)500億円くらいの赤字になっています。(玄海原発を)稼働するように、あなたたちも言ってくださいよ。本 当にお願いします。車検が終わった車に乗ってもいいじゃないかとみんなで言ってくれれば、明日からでも動くのです。ぜひ、そういうふうに(世論)誘導して ください」

メールで世論操作をしたことを、全く反省せずに、こんどは記者たちに原発再稼動の世論操作の依頼ですよ。電力会社の会長の要職にありながら、原発事故の恐ろしさがわかっていないのではないでしょうか。わかっていないであれば、原発事故の恐ろしさがわかるまで、東京電力の福島第一原発の事故現場で働いてもらいたい。

ガスタービンコンバインド発電に切り替えを検討するとか、そういった知恵もなく、ひたすら原発とは、誠に情けない状況ですね。

やらせメールの九州電力。会長が記者にまさかの依頼。「原発再稼働を誘導してよ」
週プレNEWS 7月20日(水)12時52分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110720-00000301-playboyz-soci



[電力会社の犯罪]
■九州電力 数百人に動員要請、原発説明会 バス送迎も


九州電力が、過去に国や佐賀県などが主催した原発関係の6件の住民説明会やシンポジウムなどで、毎回、社員や関連会社員ら数百人に参加を呼びかけていたことが7月25日に、分かりました。会場までバスで送迎したり、社員に休暇を取らせて参加させていました。

(1)玄海原発3号機のプルサーマル化に関する公開討論会やシンポジウム

開催年月日 主 催 内 容 開催場所
2005年 2月20日 九州電力 公開討論会 玄海町
10月2日 シンポジウム 玄海町
12月25日 佐賀県 公開討論会 唐津市


(2)川内原発(鹿児島県薩摩川内市)3号機増設に関する説明会や公開ヒアリング

開催年月日 主 催 内 容 開催場所
2009年 1月23日 九州電力 環境影響評価準備書説明会 薩摩川内市
1月30日 九州電力 環境影響評価準備書説明会 いちき串木野市
2010年 5月18日 第一次公開ヒアリング 薩摩川内市


放射性物質が汚いのはもちろんのことですが、電力会社事態が汚いわけですね。
こんな薄汚れた九州電力の電気は、できれば使いたくありません。
消費者が、自由に電力会社を選べるようにすべきです。


九電 数百人に動員要請、原発説明会 バス送迎も
(2011年7月26日  読売新聞)
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20110726-OYS1T00215.htm?from=tw



[電力会社の犯罪]
■九州電力のやらせ問題。実は佐賀県の古川康知事がグルだった。


佐賀県の古川康知事は、説明会前の2011年6月21日に知事公舎で九州電力の段上守副社長と会いました。そして、その席で、「経済界から再稼働を求める声があるならば、そういう声を出すことも必要だ」と働き掛けをしました。

「その時はこうなるとは思わなかった。当事者の九電に対し、軽率であった」

7月30日になり、一部のマスコミの追求をかわせなくなったのか、臨時の記者会見を開いて明らかにしたものです。

あろうことか、佐賀県知事が九州電力に対して、やらせを働きかけていた事実が判明しました。

佐賀県知事と九州電力とはグルだったのです。自分も当事者のくせに、九州電力の単独犯のように見せかけて、自分は素知らぬ顔。本当に恐ろしいです。


(朝日新聞 2011年7月30日20時6分 報道ここから)
---------------------------------------------------------------------
九電やらせメール「きっかけは佐賀知事会談」と第三者委

「やらせメール」などの問題を調べている九州電力の第三者委員会の郷原信郎委員長(名城大教授、弁護士)は30日、福岡市で会見し、佐賀県の古川康知事と前副社長ら幹部が会談したことが、やらせメールのきっかけになったことを明らかにした。

 九電幹部が作成したメモによると、古川知事は国主催の玄海原発(佐賀県玄海町)の説明番組について「インターネットを通じて賛成意見も集まるようにしてほしい」と要請していたという。メモの内容は電子メールで社内の複数の関係者に配られたという。

 九電側は古川知事の意向を受けて「賛成の声がもっと表に出るようネットを活用するべきだ」との認識を社内で共有。組織的なやらせの指示につながっていったとみられる。郷原氏の聞き取りに古川知事は、メモに書いてあるような「賛成意見の要請」はしていないと、述べたという。
---------------------------------------------------------------------
(朝日新聞 2011年7月30日20時6分 報道ここまで)

九電に「再稼働求める声必要」=やらせメール問題で−佐賀県知事
(2011/07/30-17:38)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011073000253


九電やらせメール「きっかけは佐賀知事会談」と第三者委
2011年7月30日20時6分
http://www.asahi.com/national/update/0730/SEB201107300011.html




原発は いらない

トップページ

電力不足のウソ
二酸化炭素は無罪
原発のコストは高い
手に負えない原発
地震で壊れる原発
原発事故
汚い原発
子孫にゴミを残すな
罪深い原発
恐ろしい内部被曝
放射性物質の拡散
原発に破壊された経済
電力会社の犯罪
電力会社の支配
地域独占の弊害
愚者が国を滅ぼす
見識者の意見
クリーンな発電
脱原発ソング

サイト内検索
リンク