2011年7月15日、熊本県は豚から初めて放射性セシウムを検出したと発表しました。汚染牛肉が、沖縄県を除いた全国に流通していることが問題になっていますが、牛肉だけではなかったわけです。

熊本県の地元の記者によれば、セシウムが検出された豚は、元々は福島県川俣町で飼育されたものであるそうです。

福島県の養豚組合の担当者によると、これまで緊急時避難準備区域と計画的避難区域から約1万頭が県外へと移動していて、移動先は主に長野県や群馬県、新潟県、熊本県などであるそうです。

店頭に並ぶときは、産地表示は移動先のものとなっていて、福島県で育ったことは消費者にはわからないしくみになっています。消費者があてにできるのは、産地表示だけなのに、本当の産地がわからなくなるようなことをしているのです。

豚や鶏は、牛とは異なり「個体識別番号」がありません。なので、産地の追跡は不可能です。


この国の農林水産省の官僚や政治家たちは、何を考えているのでしょうか?
わざと、放射性物質による被害を拡大させているとしか思えません。


福島避難区域の豚1万頭は「他県産」化けて全国の食卓へ!【福島避難区域の豚1万頭】
女性自身 2011年07月26日
http://jisin.jp/news/2502/2756/

(関連リンク)
計画的避難区域からの家畜の移動について
平成23年5月6日 福島県農林水産部
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/chikusan_shinsai-kachikuidou-idouhoushin110506.pdf


その後、女性自身のこの記事について、熊本県は訂正記事の掲載を申し入れたようです。

http://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/73/syuukanshikeisaikiji.html
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 一部週刊誌に掲載された「福島避難区域の豚1万頭はすでに『他県産』に化けて全国の食卓へ」の記事中の、「『熊本産』豚肉からセシウム検出」という文言は明らかに事実と異なるものです。

 JAS法では、最も飼養期間の長い場所(主たる飼養地)を原産地として表示することとなります。そのため、7月15日に本県が放射性物質の検査を行い、その結果を公表した豚については、「国産」以外の表示を行う場合には、「福島県産」と表示することとなり、「熊本県産」と表示され販売されることはありません。

 今回の記事は、「熊本県産」の豚肉が、あたかも放射能に汚染されているといった誤解を招くものであるため、消費者の皆様に正確な情報をお知らせするものです。

 なお、該当する出版社に対しては、速やかな訂正記事の掲載を申し入れております。
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福島県川俣町で飼育され、熊本県に移送された豚は、飼育期間が福島県のほうが長ければ、「国産」若しくは「福島県産」として販売されることとなっていて、「熊本県産」という表示で販売されることは無いとのことです。

・熊本県内の農場が、6月に福島県の計画避難区域で飼育されていた豚15頭を購入したのは事実
・その豚から、基準値を下回るセシウムが検出されたのは事実
・「熊本県産」として販売されたというのは事実と相違

ということです。

出版社は「現在、訂正も含め対応を検討している」とコメントしています。

「熊本産豚肉からセシウム」に県が抗議(2011年7月28日20:56)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4787783.html



[放射性物質の拡散]
■福島の卵からセシウムを検出

2011年7月26日に放送された『報道ステーション』。食品安全委員会が出した、生涯100ミリシーベルト被曝限度についてのレポート。この冒頭部分で、卵からキロ当たり60ベクレルのセシウムを検出したことが報道されました。


20110726 食品安全基準 生涯で100mSv以上は‥ 投稿者 PMG5

福島県川俣町で養鶏場を営む男性が福島県の民間ボランティア調査機関に持ち込んだ卵から、放射性セシウムがキロ当たり60ベクレル検出

日本の暫定基準値では、キロ当たり500ベクレルですから、この卵は出荷できます。
ちなみに、ウクライナの基準値では卵1個あたり6ベクレルとなっています。

卵の重さはサイズにもよりますが、1kgだと15個くらいでしょうか。卵15個で60ベクレルということですと、川俣町のこの卵は1個当たり4ベクレルくらいということになります。

ウクライナの基準6ベクレルもクリアしています。ですが、卵から放射性物質が検出されているということは、親鳥も汚染されていることになります。

福島県農林水産部によれば、計画的避難区域において震災前は91万羽が飼育されていて5月6日の段階で、87万羽が県外に出荷されているそうです。

出荷された親鳥は、どの程度の汚染度だったのでしょうか?気になるところです。


福島の卵からセシウムが出ていた
http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/07/blog-post_27.html



[放射性物質の拡散]
■イノシシからセシウム=宮城

宮城県は19日、角田市内で7日に捕獲された野生イノシシの肉から、食品衛生法に基づく暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える2200ベクレルの放射性セシウムが検出されたとの情報提供が県猟友会からあったと発表した。
 県は、イノシシなどの野生鳥獣を食用としないよう呼び掛けている。(2011/08/19-21:24)

http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011081900866

汚染されているのは、家畜の牛や豚や鶏だけではありません。
放射性物質は、家畜か野生か、そういった区別はせず、容赦なしに襲い掛かります。
人間が育てた野菜や果実だけでなく、野生の植物や果実も汚染されています。
そして、それらを餌としている野生動物も、汚染されてしまったわけです。
福島第一原発事故のによって、この国は「汚染大国」になってしまいました。

放射性物質は、自然に希釈などしません、ひたすら拡散するだけです。
そして半減期がこない限り、減ることはありません。
東京電力は、取り返しの付かない償いきれないことをしてしまったのです。



群馬県の有名観光地の赤城山・大沼(前橋市)のワカサギから、国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える640ベクレルの放射性セシウムが検出されたと県が29日、発表した。
 県は安全性が確認されるまで、県内17カ所の湖や沼でのワカサギ釣り自粛や解禁日の延期を要請した。大沼では食用になるウグイやコイ、マス類も自粛の対象とした。
 水産庁によると、福島県以外で、淡水の魚から基準値を超える放射性セシウムが検出されたのは初めて。(2011/08/29-22:11)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&rel=j7&k=2011082900864

「福島県以外の淡水の魚」としては、初めてということですが、ひとつ疑念があります。
福島県の阿武隈川で1000ベクレル/kgの鮎が出て、それは出荷されていないのですが、同じ阿武隈川でも宮城県側では検査していないのです。これは、2011.8.24 鳩山由紀夫元首相主催勉強会に主席した「おしどり」からの情報です。宮城県でも、きちんと検査を行うべきです。



 福島県は3日、野生キノコの検査で、棚倉町のチチタケから1キロ当たり2万8000ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。国の暫定規制値(同500ベクレル)を上回り、キノコのセシウム濃度としては過去最大。県はチチタケのほか、同町内の野生のマツタケやホウキタケなどについて、採取と販売自粛を関係団体に要請した。

 3日に同町北山本の山林で採取した。周辺の環境放射線量は毎時0.3マイクロシーベルトと比較的低く、隣接する塙町で採取したチチタケも109ベクレルにとどまっている。県農林水産部は「どうしてこれほど高い値が出たのか分からない。これから野生キノコのシーズンだが、県の検査結果が出るまでむやみに採取しないでほしい」と呼びかけている。【関雄輔】

毎日新聞 2011年9月3日 20時49分(最終更新 9月3日 22時58分)
http://mainichi.jp/life/today/news/20110904k0000m040060000c.html

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野生キノコから基準超のセシウム 福島県、注意呼びかけ

 福島県は10日、福島市、白河市、川内村でとれたハツタケと、いわき市のアミタケ、同市と棚倉町のチチタケから国の基準値(1キロあたり500ベクレル)を超える760〜1万3900ベクレルの放射性セシウムが検出された、と発表した。いずれも野生で、県はキノコ狩りに注意を呼びかけている。

 県は、生きた木と共生して養分を吸い上げる「菌根菌(きんこんきん)」類について、福島、白河、いわきの各市と川内村に対し採取と出荷の自粛を要請。いわき市では摂取も控えるよう呼びかけた。棚倉町と古殿町の菌根菌類については、すでに法律で出荷停止が指示されている。

 各地の施設栽培での原木シイタケは、調べた22点ですべて基準以下だった。

朝日新聞 2011年9月10日22時4分
http://www.asahi.com/national/update/0910/TKY201109100388.html



福島県東白川郡棚倉町は、福島第一原発からおよそ75kmほど離れた場所にあります。
それでも、キロ当たり2万8000ベクレルというとんでもない高い値のセシウムが検出されました。
福島第一原発から白河市までは80km、福島市までは62kmほどの距離です。
警戒区域や計画的避難区域ではなくても、高濃度に汚染されている場所があります。
そして、ホットスポットと呼ばれる高濃度汚染地帯が、福島県外にも点在しています。
このニュースからも、土壌汚染が、政府が考えている以上に深刻であることがわかります。



栃木県日光市で捕獲された野生のシカ3頭の肉から、食肉の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える同2037〜590ベクレルの放射性セシウムが検出されたことが7日、県や県猟友会日光支部への取材で分かった。

 県によると、3頭は農作物保護のため捕獲され、肉は市場に流通しない。ハンターにはシカを捕獲しても食用にしないよう呼び掛ける方針。

 検査は同支部が民間の研究機関に依頼し、独自に実施。8月下旬から9月上旬に有害鳥獣駆除のため捕獲したシカの肉を調べた。同支部によると、まず簡易検査した1頭から1キログラム当たり2037ベクレルを検出。この汚染判明に伴って別の2頭を精密検査した結果、それぞれ同940ベクレル、同590ベクレルが検出された。

 県は「汚染された草などを食べたのが原因ではないか」としている。

 宮城県と福島県では野生イノシシの肉から基準値を超える放射性セシウムが検出されている。(共同)

 [2011年9月7日12時15分]

http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20110907-831568.html


有害鳥獣駆除で捕獲した鹿の肉を使って加工食品をつくり、地域の特産品にするということが、全国各地で行われているのです。栃木県では、そのようなこともできなくなってしまいました。有害鳥獣駆除と特産品の販売という、いわば一石二鳥の取り組みを、原発事故が破壊したのです。東電の原発事故のせいで、国の経済も人々の生活もメチャクチャです。




【栃木】捕獲のイノシシとシカからセシウム 県発表

県は二十六日、有害鳥獣駆除のため県猟友会が捕獲したイノシシ二頭とシカ二頭から、食肉の暫定規制値(一キログラム当たり五〇〇ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したと発表した。県は二十一日から野生鳥獣を対象に検査しており、規制値を超えたのは初めて。

 県自然環境課によると、イノシシは那須町と矢板市、シカは同市と塩谷町で捕獲。放射性セシウムの濃度は五四五〜一一八五ベクレルだった。同課は、周辺で捕獲した野生鳥獣を食べるのは控えるよう呼び掛けている。

2011年9月27日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20110927/CK2011092702000062.html


日光市の鹿が汚染されていた報道がありましたが、那須町と矢板市の鹿も同様に汚染されていました。

以前、宮城県のイノシシの汚染報道がありましたが、栃木県のイノシシも、汚染されてしまいました。

非常に広範囲にわたり、汚染されていることがわかります。



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