[放射性物質の拡散]
■福島の被曝牛が全国に出荷されてしまった
福島県浅川町で飼育されていた肉牛が、高濃度の放射性物質で汚染された「ワラ」で飼育されていたことが判明しました。
体内被曝をした肉牛42頭は、4月8日から7月6日までの間に全国各地に出荷されてしまいました。
横浜市14頭 東京都13頭 仙台市10頭 千葉県5頭
42頭が食べた「ワラ」からは、放射線セシウムが1キログラム当たり最大で9万7千ベクレル検出されています。
このうち、仙台市へ出荷された10頭の中の2頭については、その後の追跡調査で、卸売市場を経由して山形県と岩手県にも出荷されていたことが分かりました。
仙台市では、仙台市中央卸売市場に10頭が入荷し、いずれも解体処理して販売されたということです。このうち1頭は、東京都港区の 卸売業者が420キロを買い取ったということです。また、別の1頭は山形県酒田市の業者に360キロ、岩手県花巻市の業者に8キロ、それに仙台市宮城野区 の2つの卸売業者に合わせて1.4キロが販売されたということです。2頭についてはある程度判明しましたが、8頭については調査中であるということです。
横浜市へ渡った牛は、さらにそこから群馬県や埼玉県川越市の卸業者や販売店に卸されていることがわかりました。
福島県 浅川町 |
⇒ | 横浜市 14頭 |
⇒ | 横浜市、川崎市、小田原市、東京・品川区の8つの卸売業者へ -------------------------------------- さらにそこから、東京、神奈川、埼玉、群馬、静岡の 5つの都県の業者へ -------------------------------------- 埼玉の業者から、さらに埼玉県内、大阪や石川県の業者へ |
|
⇒ | 千葉県 5頭 |
⇒ | 東京・港区の食肉市場で競り | ||
⇒ | 東京都 13頭 |
⇒ | 競りで、東京、大阪市、埼玉県の業者などへ -------------------------------------- 大阪市卸売業者購入分は、 さらに東京、神奈川県、福島県、秋田県、山梨県各業者へ いずれかの業者から、愛媛県東温市の卸売業者へ渡り、 さらに松山市内のスーパーへ いずれかの業者から、香川県に渡り、高松市など県内4つの スーパーと愛媛県新居浜市のスーパーへ いずれかの業者から、神戸市の倉庫へ 秋田県に渡った2頭分が、秋田市、由利本荘市、 能代市、潟上市、五城目町、大潟村のスーパーなど小売店に流通 埼玉県越谷市の卸売業者が購入した5頭のうち1頭の肉が、 新潟、長野、福井、三重の4県と京都府の業者に流通 広島県の業者は、埼玉県の業者を通じて仕入れた 東京都中央卸売市場から、岐阜県高山市へ渡った分は 全量がカレー用として販売された |
||
⇒ | 仙台市 10頭 |
⇒ | (8頭) | 仙台市、山形県上山市、山形県寒河江市などへ -------------------------------------- 仙台から、愛知県一宮市の食肉販売店へ 愛知県春日井市の食肉加工業者を通じて 滋賀県でも販売されていた 仙台市中央卸売市場から、岐阜県高山市へ渡るも 販売されず保管された状態 |
|
⇒ | (1頭) | 東京都港区 | |||
⇒ | 1頭 小分け |
岩手県花巻市 | |||
山形県酒田市 | |||||
仙台市宮城野区 |
7月15日までの調査では、東京、千葉、神奈川、埼玉、群馬、栃木、茨城、新潟、長野、宮城、山形、岩手、秋田、福島、愛知、石川、福井、山梨、静岡、大阪、京都、三重、兵庫、愛媛、香川、福岡の合わせて26の都府県の卸売業者やスーパーマーケットに販売されていたことが確認されました。(NHK報道)
さらに調査が進み、7月16日の段階では、岐阜、広島、滋賀でも販売されていたことがわかりました。
愛知県春日井市の食肉加工業者を通じて滋賀県でも販売されていた(毎日新聞報道)
福島・浅川町産 汚染牛肉、高山でも販売(岐阜新聞報道)
広島県の業者は東京食肉市場で処理された牛肉35.7キロを、埼玉県の業者などを経由して仕入れていた(毎日新聞報道)
さらに、和歌山、北海道、青森でも販売されていたことがわかりました。
和歌山県内では、京都市の食肉卸業者を経由して、海南市の食肉卸販売業者に牛肉87キロが販売され、その後、岩出市や和歌山市など合わせて5つの小売り業者や飲食店に、延べ7回にわたって全ての牛肉が2次販売された(和歌山放送)
北海道では、千葉県と宮城・仙台市の食肉処理場から、札幌市の卸業者を経由して流通し、芦別市の食肉業者と恵庭市の飲食店へ渡っていた(福島テレビ)
青森県では、横浜市から青森市と五所川原市の業者へ、千葉県から青森市へ、仙台市から弘前市と平川市へ渡っていた(青森県による調査)
そして、奈良にも流通していました。
浅川町産の肉牛について、大阪府の7月16日の発表によると、大阪府内の食肉処理業者は、横浜市の食肉市場から4月13日に454キロを購入し、別の業者に販売。この業者は肉を加工して5月17日までに大阪、奈良、和歌山、三重の4府県にある小売店など14社に323.1キロを販売した。(毎日新聞報道)
7月17日になり、新たに、富山、山口への流通が確認されました。
浅川町の農家から出荷された42頭については7月17日、新たに一部の肉が山口市のスーパーと富山県の食肉処理業者にも流通していたことが分かりました。この うち、山口市のスーパーでは、市内にある10店舗でほかの牛肉と混ぜてこま切れの肉として販売し、すべて販売されたということです。(NHK報道)
イオンは7月16日、福島県浅川町の畜産農家から出荷された牛5頭分の肉、計約320キロを、東京、千葉、神奈川、石川、静岡の1都4県にあるグループのスーパー計14店舗で販売したと発表しました。
----------------------------------------------------------------------------
福島県南相馬市の農家が東京都へ7月に出荷した肉用牛11頭の全てからも、放射性セシウムが検出されています。暫定規制値の6.4〜3倍の値でした。幸いにして、この11頭は、瀬戸際で流通を防ぐことができました。
ですが、同じ相馬市の農家から、5月〜6月に出荷された6頭の牛は、東京、神奈川、静岡、大阪、愛媛の計5都府県に流通してしまいました。
福島県南相馬市 | ⇒ | 東京 | ⇒ | 東京 |
⇒ | 神奈川 | |||
⇒ | 静岡 | |||
⇒ | 大阪 | |||
⇒ | 愛媛 |
都内に残っていた2頭の牛肉からは最大で、暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)の6.8倍に当たる3400ベクレルのセシウムを検出したそうです。残っていない、つまり流通してしまった肉は、消費されてしまったようです。暫定基準値を超えているのに、流通してしまいました。
浅川町産の汚染された牛肉は、徳島と高知には流通しなかったようです。しかし、南相馬市の汚染された牛肉が流通してしまいました。
愛媛県は7月12日、南相馬市の農家が同じ飼料を与えていた別の牛の加工肉が松山市に本社があるスーパーチェーン「フジ」を通じて徳島、高知の2県の店舗に流通していたと発表(サンケイ新聞報道)
体内被曝をした、浅川町の42頭と南相馬市の6頭、両方を合わせますと48頭になりますが、37都道府県に流通してしまいました。その内、福井県と富山県は他県へ転売などの理由で、消費には至りませんでした。35都道府県では、消費されてしまいました。また、流通しているのが確認されていない県は、次の通りです。
岡山 鳥取 島根
佐賀 長崎 大分 熊本 宮崎 鹿児島 沖縄
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福島県の調査では、4月下旬以後、20〜30キロ圏の緊急時避難準備区域からは2924頭の肉用牛が出荷されたことが判明しています。これらは流通し食肉として販売されてしまいました。
南相馬市や田村市の一部が入る高濃度汚染地域では、約5700頭の肉牛が飼育されていたそうです。農林水産省は4月下旬、この区域から出荷される肉用牛全頭を対象に、福島県が体の表面を検査などすれば出荷を認めると指導しました。その結果、事故後に見合わせていた出荷が再開されてしまいました。
このように、いったん市場に出てしまうと、どんどん拡散してしまうのです。農林水産省の、あまりにもずさんで軽率な判断には、あきれます。原発を推進する経産省だけでなく、農林水産省までもがこのような状態です。この国の官僚は、ずいぶんと腐って劣化してしまったとしか思えません。日本国民の健康を守ろうとしないなら、存在する価値もありません。
店頭で販売されるとき、果たして「福島産」と表示されているのかも、心配です。。。。
まあ、42頭だ、6頭だ、と大変な騒ぎですけど、その前に既に2924頭が出荷されて流通してしまっているわけですから、農林水産省の無策ぶりには、ただただあきれるばかりです。
肉牛42頭にセシウム含む餌 福島県、4都県に出荷
2011/07/14 20:28 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011071401001003.html
福島・浅川町の牛 山形と岩手にも
7月14日 21時55分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110714/t10014219091000.html
セシウム、牛11頭すべて規制超…南相馬の農家
(2011年7月9日13時12分 読売新聞)
(4月下旬以降、2924頭の肉用牛が出荷されたことが判明)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110709-OYT1T00338.htm
福島全域の肉牛、出荷停止を検討 (2011年7月15日17:50)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4776962.html
基準7倍のセシウム検出 5都府県で流通判明
2011/07/12 01:35 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011071101001063.html
問題の肉牛 17都府県に販売
7月15日 22時43分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110715/t10014246841000.html
問題の肉牛 26都府県で販売
7月16日 0時15分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110716/t10014249241000.html
福島・浅川産の流通牛肉からセシウム 県全域出荷停止指示へ
2011年07月16日土曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/07/20110716t73021.htm
セシウム汚染牛:疑い肉流通先29都府県に
毎日新聞 2011年7月16日 11時47分(最終更新 7月16日 12時16分)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110716k0000e040033000c.html
福島・浅川町産 汚染牛肉、高山でも販売
5月末入荷の9キロ
岐阜新聞2011年7月16日朝刊
セシウム汚染牛:関西でも流通拡大
毎日新聞 2011年7月16日 21時50分(最終更新 7月17日 1時10分)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110717k0000m040108000c.html
東日本大震災:セシウム汚染牛 稲わらにセシウム、牛肉流通全国拡大 追いつかぬ調査
毎日新聞 2011年7月17日 東京朝刊
http://mainichi.jp/life/food/nouandsyoku/news/20110717ddm041040162000c.html
えさ汚染、新たに84頭の流通判明 19日にも出荷停止
2011年7月17日3時1分
新たに郡山市の2戸、喜多方市の2戸、相馬市の1戸の肉用牛農家でも
汚染されたわらを与えていたことが判明
http://www.asahi.com/food/news/TKY201107160715.html
132頭 31都道府県で消費か NHK 7月17日 12時10分
17日、新たに山口県と富山県にも流通していたことが分かり、流通先は全国36の都道府県に広がってこのうち31の都道府県で消費された
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110717/k10014264631000.html
セシウム汚染牛肉、37都道府県で流通 < 2011年7月17日 17:25 >
http://news24.jp/articles/2011/07/17/07186628.html
[放射性物質の拡散]
■汚染ワラ(稲わら)で内部被曝した汚染牛が全国に流通
出荷した都道府県 | 発表日 | 出荷日 | 出荷した農家 | 頭数 | 初期段階の 流通範囲等 |
備考 |
北海道 | 2011/ 7/22 |
不詳 | 北海道 JA浜中町肉牛牧場 |
15頭 | 53頭中15頭が道内外に出荷された | − |
秋田県 | 2011/ 7/20 |
不詳 | 秋田県 | 1頭 | 市場には流通せず | − |
2011/ 7/22 |
不詳 | 秋田県2戸 | 9頭 | 県内に5頭、東京2頭、大阪2頭。県内の5頭の内2頭は流通せず。大阪の2頭は業者が全量保管。県内向けの3頭と東京の2頭が流通した模様。 | − | |
福島県 | 2011/ 7/16 |
3/28 〜 7/13 |
福島県郡山市の2戸 喜多方市の2戸 相馬市の1戸 |
84頭 | 東京都、埼玉県、宮城県、山形県、福島県 | − |
2011/ 7/9 |
7/8 | 南相馬市 | 11頭 | 食肉処理場内で保管され、いずれも流通していない | − | |
2011/ 7/9 |
5〜6月 | 南相馬市 | 6頭 | 東京都、栃木県 | 全国37都道府県に流通 | |
2011/ 7/14 |
4/8 〜7/6 |
浅川町 | 42頭 | 横浜市、東京都、仙台市、千葉市 | ||
2011/ 7/16 |
3/28 〜 7/13 |
郡山市の2戸 喜多方市の2戸 相馬市の1戸 |
84頭 | 東京都、埼玉県、宮城県、山形県、福島県 | − | |
2011/ 7/18 |
3/28 〜7/6 |
須賀川市 1戸(383頭) 郡山市 2戸(計6頭) 二本松市 1戸(2頭) 本宮市 1戸(3頭) 白河市 1戸(13頭) 会津坂下町 1戸(4頭) |
411頭 | 東京都、兵庫県、福島県、群馬県、栃木県、埼玉県 | 岡山、島根、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎でも流通を確認 | |
2011/ 7/25 |
4/15 〜6/22 |
福島県白河市1戸 | 23頭 | 東京都 | − | |
2011/ 7/25 |
5/26〜 6/30 |
福島県猪苗代町1戸 | 5頭 | 福島県1頭、東京都4頭 | − | |
岩手県 | 2011/ 7/20 |
3月下 〜7月中 |
岩手県一関市、 藤沢町など5戸(19頭) 別の7戸(62頭) |
81頭 | 80頭が流通。岩手県、東京都、神奈川県など | − |
2011/ 8/2 |
3月 〜7月 |
岩手県内9戸 | 272頭 | 不詳 | − | |
宮城県 | 2011/ 7/21 |
不詳 | 宮城県栗原市8戸 石巻市1戸 蔵王町1戸 |
100頭 | 東京と仙台の食肉市場 | − |
2011/ 7/22 |
不詳 | 宮城県17戸 | 139頭 | 東京食肉市場82頭、仙台市中央食肉卸売市場53頭、千葉県食肉公社4頭 | − | |
2011/ 7/23 |
不詳 | 宮城県16戸 | 626頭 | 東京都328頭、山形県241頭、宮城県42頭、新潟県10頭、千葉県5頭 | − | |
2011/ 7/23 |
不詳 | 宮城県15戸 | 318頭 | 東京、山形、宮城、神奈川、新潟、千葉 | − | |
山形県 | 2011/ 7/18 |
4/7 〜7/15 |
山形県尾花沢市2戸 飯豊町1戸 白鷹町1戸 |
70頭 | 70頭のうち県外へ流出したのは18頭。山形県、東京都、奈良県、仙台市 | − |
2011/ 7/22 |
6/20 | 山形県米沢市1戸 | 1頭 | 米沢食肉公社 | − | |
2011/ 7/23 |
5/9 〜7/11 |
山形県鶴岡市1戸 | 23頭 | 庄内食肉公社 | − | |
新潟県 | 2011/ 7/18 |
4月中旬 〜6月末 |
新潟県長岡市2戸 | 24頭 | 東京都、新潟県 | 新潟、埼玉、東京、富山、石川、福井、長野、愛知、神奈川、栃木に流通 |
2011/ 7/21 |
不詳 | 新潟県 | 85頭 | 新潟県、東京都、石川県、埼玉県、神奈川県 | − | |
群馬県 | 2011/ 7/20 |
4月〜7月 | 群馬県1戸 | 355頭 | 不詳 | − |
2011/ 7/22 |
5/25 〜6/29 |
群馬県高崎市1戸 | 13頭 | 東京中央卸売市場 | − | |
2011/ 7/25 |
不詳 | 群馬県太田市 | 60頭 | 東京都 | − | |
栃木県 | 2011/ 7/22 |
不詳 | 栃木県 那須塩原市5戸 |
3頭 | 東京の卸業者などが保管し、流通していない | − |
2011/ 7/26 |
5〜6月 | 栃木県 日光市1戸 |
4頭 | 東京都、埼玉県 | − | |
茨城県 | 2011/ 7/20 |
出荷せず | 茨城県常陸大宮市 県畜産センター |
31頭 | 宮城産の稲わらを与えていたが出荷せず | − |
2011/ 7/20 |
3/下 〜7/上 |
茨城県 常陸大宮市1戸 |
約 300頭 |
不詳 | 基準値以下の為、追跡せず | |
2011/ 7/25 |
5〜7月 | 茨城県4戸 | 78頭 | 茨城県、東京都 | − | |
静岡県 | 2011/ 7/20 |
4月以降 | 静岡県富士宮市 (148頭) |
148頭 | 県内の食肉処理場に残っていた9頭と病気の1頭の計10頭は流通せず、138頭が流通している。 静岡県、大阪市、 愛知県豊橋市、小牧市 |
− |
岐阜県 | 2011/ 7/20 |
4/7 〜7/14 |
岐阜県高山市6戸 | 29頭 | 29頭のうち1頭は流通せず、他の1頭は別の農場で飼養中を確認。よって27頭が流通。大垣市や養老町、関市、浜松市、富山市など | − |
2011/ 7/22 |
4/18 〜7/20 |
岐阜県高山市5戸 | 43頭 | 飛騨食肉センター、養老町立食肉事業センター、岐阜県畜産公社、石川県金沢食肉流通センター | − | |
2011/ 7/25 |
3/25 〜7/15 |
岐阜県中津川市1戸 | 51頭 | 名古屋市 | − | |
三重県 | 2011/ 7/22 |
不詳 | 三重県大紀町 (松坂牛) |
70頭 | 津市の食肉店などを通じて59頭が流通。沖縄と鳥取・島根をのぞく44都道府県 | 44都道府県に流通 |
島根県 | 2011/ 7/22 |
5/13 〜7/21 |
島根県飯南町 赤来肥育センター |
13頭 | 不詳 | − |
鳥取県 | 2011/ 7/21 |
不詳 | 鳥取県1戸 | 200〜 300頭 |
鳥取県内と中国地方 | 基準値以下の為、追跡せず |
埼玉県 | 2011/ 7/21 |
不詳 | 埼玉県川島町1戸 | 2頭 | 和光市と静岡県の業者がそれぞれ全量保管しており、流通していない | − |
− | − | − | − | − | − | − |
− | ||||||
上記200頭のニュースは共同通信(2011/07/19 19:18)のものだが、概算値で正確なものではないようであるため削除。 | ||||||
− | ||||||
上記33頭のニュースは産経ニュース(2011.7.21 12:09)のものだが、宮城県の公表値と相違があるので削除。 |
稲わらの購入者 | 稲わらの販売者 | 購入日 | 汚染濃度(1kgあたりのセシウム) |
福島県 浅川町の農家 |
福島県 白河市の稲作農家 |
4月上旬より | 9万7000ベクレル |
福島県 白河市の農家 |
福島県産の稲わら | 不詳 | 69万ベクレル、 牧草換算で15万6818ベクレル |
福島県 白河市の農家 |
福島県 白河市の稲わら |
不詳 | 17万7000ベクレル (2011.7.25発表分) |
福島県 須賀川市の農家 |
宮城県 の販売業者 |
3/14 〜7/11 |
規制値(300ベクレル)の約26倍 |
新潟県 長岡市の農家 |
宮城県 登米市の業者 |
4月 | 10,500ベクレル、牧草換算で2387ベクレル |
新潟県 長岡市の農家 |
宮城県 栗原市の業者 |
5月 | 20,600ベクレル、牧草換算で4682ベクレル |
山形県 尾花沢市の農家 |
宮城県 大崎市の業者 |
4/2 〜4/10 |
1万5800ベクレル |
山形県 飯豊町の農家 |
宮城県 大崎市の業者 |
4/2 〜4/10 |
1万8100ベクレル |
岩手県 富士宮市の農家 |
岩手県産の稲わら | 不詳 | 583〜1万2984ベクレル 別報道では、最高値で5万7000ベクレル |
静岡県 富士宮市の農家 |
宮城県 登米市の業者 |
不詳 | 9380ベクレル |
群馬県の農家 | 宮城県 登米市の業者 |
3/30 〜7/15 |
不詳 |
群馬県 高崎市の農家 |
宮城県 大崎市の業者 |
4/12 〜7/1 |
暫定基準の10倍の濃度 |
岐阜県 高山市の農家 |
宮城県 大崎市の業者 |
不詳 | 牧草換算で3591ベクレル |
秋田県の農家 | 宮城県 登米市の業者 |
不詳 | 2万ベクレル、牧草換算では4500ベクレル |
鳥取県 琴浦町の農家 |
宮城県 6軒の業者 |
3月 〜7月 |
170ベクレルで暫定基準値以下 |
埼玉県 川島町の農家 |
宮城県 の販売業者 |
不詳 | 暫定基準値の約15倍 |
埼玉県 神川町の農家 |
宮城県 の販売業者 |
6/4 〜7/18 |
4万400ベクレル 約100頭の牛に与えたが、牛の出荷はしていない |
茨城県常陸大宮市 県畜産センター |
宮城県 栗原市の業者 |
5月と6月の2回 | 牧草換算で3432ベクレル 31頭の牛に与えたが、牛の出荷はしていない |
三重県 大紀町の農家 |
宮城県 登米市の業者 |
不詳 | 5909ベクレル |
栃木県 那須塩原市の農家 |
同じ市内の農家 | 4月 | 牛肉からは、560〜760ベクレルの放射性セシウムを検出。10万6000ベクレル、牧草換算で2万4146ベクレル。 |
秋田県の農家 | 宮城県 の販売業者 |
不詳 | 牛肉からは、520ベクレルの放射性セシウムを検出したが、稲わらの汚染濃度については不詳 |
北海道 JA浜中町肉牛牧場 |
宮城県 の販売業者 |
不詳 | 1886ベクレル |
島根県飯南町 赤来肥育センター |
宮城県 の販売業者 |
不詳 | 6834〜3349ベクレルのセシウム |
山形県 米沢市の農家 |
宮城県 栗原市の業者 |
6月 上旬 |
3万2千ベクレル、牧草換算で7272ベクレル |
山形県 鶴岡市の農家 |
宮城県 の販売業者 |
不詳 | 2万2千ベクレル |
秋田県の農家 | 宮城県 美里町の業者 |
不詳 | 2万2千ベクレル、牧草換算で4900ベクレル |
茨城県の農家 | 茨城県産の稲わら | 不詳 | 牧草換算で1万4545ベクレル |
岐阜県 中津川市の農家 |
宮城県 湧谷町産の稲わら |
不詳 | 牧草換算で841ベクレル |
栃木県 日光市の農家 |
栃木県 日光市内の稲わら |
3/19 〜4/6 |
3万5千ベクレル、牧草換算で7973ベクレル |
宮城県栗原市も、登米市も福島第一原発からおよそ140km以上離れた場所だと思いますが、それでも稲ワラが高濃度に汚染されていたわけです。国や自治体の汚染状況をきちんと把握しようとしない、ずさんさが、このような汚染牛肉の流通につながったといえるのではないでしょうか。
放射性物質は、稲わらだけをターゲットにするわけではありません。牛に限ったことではなく、他の家畜や農産物は大丈夫なのか、今一度よくよく調べなければ、被害は更に拡大してしまうでしょう。
7月19日までの調査では、福島県や宮城県の稲わらが問題となっていました。
しかし7月20日になり、新たに福島第一原発から200km以上離れている岩手県の稲わらも、高濃度の放射性物質で汚染されていることがわかりました。
稲わらは、牛だけではなく、馬や羊も食べます。馬肉や羊肉については手付かずのようですが、これ以上後手後手にまわるのではなく、早期の調査が必要と思われます。
全国に拡散してしまった汚染牛肉ですが、餌となった「稲わら」を辿ると、「福島産」、「宮城産」、「岩産」のいずれかになるようです。特に、良質であるがゆえに「宮城産」の稲わらは、他県でも広く使われており、そのことが、今回の被害の拡大につながってしまいました。「宮城産」の稲わらを使用しなければ、汚染せずにすんだ牛がたくさんあるだけに、国や自治体の放射性物質に対する危機管理の甘さが浮き彫りになった結果となりました。
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福島・南相馬産の黒毛和牛汚染 6頭の牛肉 9都道府県に流通 同一農家から出荷
毎日新聞 2011年7月12日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110712ddm001040045000c.html
セシウム汚染牛:福島県浅川町でも 42頭が市場に流通
2011年7月14日 19時49分 更新:7月15日 9時28分
http://mainichi.jp/select/today/news/20110715k0000m040044000c.html
汚染牛出荷、3県で648頭に
(読売新聞) 2011年07月18日 22時04分
http://news.goo.ne.jp/topstories/nation/485/b3ca6e4709039004155c61cfe17746ef.html?isp=00002
わら汚染の牛、新潟から東京に24頭を出荷
2011/7/18 20:45 (2011/7/18 21:56更新)
http://www.nikkei.com/news/category/article
/g=96958A9C93819695E3EAE2E0E18DE3EAE2E5E0E2E3E39180EAE2E2E2;at=ALL
山形にも宮城産セシウムわら=東京などへ肉牛70頭出荷
(2011/07/18-23:03)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011071800493
汚染わら食べた牛、山形から70頭 東京・奈良などに流通
2011/7/19 0:37
http://www.nikkei.com/news/category/article
/g=96958A9C93819695E3EAE2E0808DE3EAE2E5E0E2E3E39180EAE2E2E2;
at=DGXZZO0195583008122009000000
山形から70頭流通 汚染わら食べさせる
2011.7.19 00:42
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110719/trd11071900440002-n1.htm
えさ汚染牛、流通先43都道府県に 新たに九州4県など
2011年7月20日3時17分
http://www.asahi.com/national/update/0719/TKY201107190779.html
新たに岡山、島根、佐賀、長崎、熊本、大分の6県で流通が確認された。
18日に発表があった、汚染牛411頭の一部。
具体的には、福島県須賀川市の畜産業者が出荷した383頭のうち、
兵庫県西宮市の食肉処理場に出荷された192頭の牛肉の一部。
岩手県の稲わらからも許容値超えるセシウム
(2011年7月20日17時48分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110720-OYT1T00881.htm?from=navr
新たに汚染疑い牛229頭 岩手、静岡の農家が出荷(7/20 19:08)
http://www.at-s.com/news/detail/100046622.html
[放射性物質の拡散]
■福島県産の汚染牛が「岩手県産」として販売されてしまった
山口新聞の報道によりますと、福島県産の汚染牛肉が、
岩手県産と誤認識した状態で販売されてしまったということです。
・岩手県で2002年5月に出生、2010年9月中旬まで肥育された(8年間)
・その後2011年5月まで福島県浅川町の農家で育った(8ヶ月)
・2011年5月11日に千葉県内の食肉処理施設に出荷
・5月23日、東京の卸業者と、山口市に営業所がある福岡県の卸業者を経て
山口県のスーパー「マリン」に納入された
・仕入れた段階では、福島県産肉牛の出荷制限がなかったことや、
肥育の大部分が岩手県だったことで「岩手県産」と表記されていたため
福島県を経由していたとの認識がなかった
山口県のスーパー「マリン」は、仕入れ時の表記「岩手県産」のまま、
「岩手県産」として消費者に販売したようです。
流通経路は、下記のような状況のようですが、
福島県浅川町の農家
⇒千葉県内の食肉処理施設
⇒東京の卸業者
⇒山口市に営業所がある福岡県の卸業者
⇒山口県のスーパー「マリン」
産地の表示は、出荷した農家の「福島県」ではなく、長く育った「岩手県」となっていました。
このあたりも、わかりにくいところです。
このような産地の表記がはたして妥当なのか、
今回の汚染牛肉が全国的に流通してしまっている事故を踏まえて、
今一度再考すべきではないでしょうか。
こうなりますと、汚染牛肉を回避するためには、お店の産地表示を信じるのではなく
消費者が、固体識別番号を自分で調べ、流通経路を確認しないといけないということになります。
お店が表示する「○○産」の表示は、あてにならないということになります。
2011年7月20日の時点で、
汚染された稲わらによる汚染牛肉の流通が確認されていないのは、
鳥取 宮崎 鹿児島 沖縄 の4県だけになってしまいました。
ですが、たとえ「鳥取産」、「宮崎産」、「鹿児島産」、「沖縄産」の表示であっても、
きちんと固体識別番号まで調べないと、危険を回避するのは難しいのが現状のようです。
汚染疑い肉販売 仕入れ時「岩手産」表記
山口新聞 2011年7月18日(月)掲載
http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2011/0718/2p.html
[放射性物質の拡散]
■汚染牛肉の流通 安全圏は沖縄県だけ
放射性物質で汚染された稲わらによる、汚染牛肉の流通の問題ですが、調査が進むにつれて、深刻度を増しています。
7月20日になり、新たに岡山、島根、佐賀、長崎、熊本、大分の6県で流通が確認されました。
これは、 18日に発表があった、汚染牛411頭の一部が流通したものです。具体的には、福島県須賀川市の畜産業者が出荷した383頭のうち、兵庫県西宮市の食肉処理場に出荷された192頭の牛肉の一部になります。
また、鹿児島県鹿屋市のスーパーでも、福島産の汚染牛が販売されたことが判明しました。
富山県と福井県は、これまでの調査では、流通したものの、他県へ転売したために県内では消費されていないということでした。しかし、調査が進み、県内でも消費されていたことが判明しました。
7月20日の段階で、汚染牛肉の流通が確認されていないのは、鳥取県、宮崎県、沖縄県の3県だけという事態になりました。
宮崎県の河野知事は7月19日、県内で汚染疑いのある牛肉は流通していないことを明らかにしました。また、福島県飯舘村など原発周辺の計画的避難区域から、肥育用や繁殖用に牛39頭が購入され、宮崎県で飼育されていますが、検査の結果、被ばくはしていないということです。
(宮崎日日新聞7月19日)
そして、7月21日になり、宮崎県内でも流通していたことが報道されました。
販売したのは、マルミヤストア(本社・大分県佐伯市)系列のスーパーで、宮崎県日向市内にあるマミーズマーケット鶴町店とマルミヤストア富高店です。6月15日〜7月1日に販売したもので、すでに全量が販売済ということです。
個体識別番号は「03841―09450」で、セシウム汚染が疑われる411頭のうちの1頭。5月31日に東京都内で食肉処理され、大分市の食肉業者を介し、マルミヤストアが購入。系列店のマミーズマーケットで販売したものです。
7月19日に宮崎県知事が汚染牛肉は流通していないことを発表したばかりなのに、とても残念な結果となりました。口蹄疫が流行った時期、宮崎県は拡散を防止するために、大変苦慮をしました。ですが、今回の放射性物質に汚染された牛肉は、あっという間に全国へ拡散してしまいました。国の放射性物質に対する危機管理の甘さが、全国に被害を拡大させてしまったと言えるでしょう。
さらに、7月21日に、鳥取県でも汚染牛を出荷していたことが報道されました。200〜300頭もの汚染牛が、鳥取県と中国地方に出荷されたとのことです。宮城県の汚染稲わらを購入し、牛の餌としたため被曝したとのことです。ですが、稲わらが1kgあたり、放射性セシウムの値で170ベクレルであり、暫定基準値以下であることから、鳥取県としては、流通ルートの詳細は追跡しないとのことです。
ひとつ、気になる点があります。この農家は、3月〜7月にわたり宮城県の6軒の業者から稲わらを購入しています。今現在、手元に残っている稲わらは、170ベクレルで基準値以下かもしれませんが、はたして全ての稲わらが基準値以下であったのか、汚染牛肉は基準値以下の汚染度だったのか、疑問が残ります。
以前に購入した稲わらは既に牛が消費してしまい、以前に出荷した牛肉も消費済で、冷凍分も残っていないのであれば、調べる手立ても無いということでしょうか。
最後に残った稲わらが暫定基準値以下の汚染度だからという理由だけでは、出荷した200〜300頭の牛は全て安全だったとは言えないのです。ですから、このような事故を再発させないためにも、国は放射性物質に対する危機管理を見直して、先手で対策を講じるようにしなければなりません。
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えさ汚染牛、流通先43都道府県に 新たに九州4県など
2011年7月20日3時17分
http://www.asahi.com/national/update/0719/TKY201107190779.html
放射線セシウム汚染疑いの牛肉 鹿屋でも販売
2011年07月20日
http://news.ktstv.net/e24663.html
汚染疑い牛肉、県内9店舗販売 670キロ全量消費か
(2011年7月20日午前7時35分)
福井県内の9店舗で汚染牛(福島県産及び新潟県産)を完売
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/29355.html
汚染牛肉、スーパーに問い合わせ相次ぐ
2011 年 07 月 19 日
富山県魚津市のスーパーで、福島県喜多方市の汚染牛肉が販売された
http://www2.knb.ne.jp/news/20110719_28862.htm
セシウム汚染? 牛肉 日向の2店販売
2011年07月21日
http://mytown.asahi.com/miyazaki/news.php?k_id=46000001107200003
【セシウム汚染牛】鳥取で宮城産稲わら購入 牛の流通46都道府県に 国の基準値下回る
2011.7.21 12:50
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/110721/ecc1107211251003-n1.htm