[手に負えない原発]
■毎時10シーベルト以上の放射線量
■毎時10シーベルト以上の放射線量
福島第1原発1、2号機の原子炉建屋の間にある屋外の排気筒の底部において、
ガレキを撤去した後の放射線量を測定していたところ、
1時間当たり10シーベルト以上の放射線量が測定されたそうです。
測定した作業員の被ばく量は4ミリシーベルトということです。
発表があったのは、2011年8月1日です。
測定器が、10シーベルトまでしか計測できないので、正確な数値はわからないそうです。
つまり、測定値は10シーベルトを振り切っていたということです。
「10シーベルト以上」ということは、「10,000ミリシーベルト以上」ということになります。
事故発生時から4ヶ月以上が経過しているのに、まったく収束の目処も立たず、恐ろしい事態が続いているようです。
2011.08.02 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生
[手に負えない原発]
■バズビー教授 8月17日 ロシア・トゥデイ 毎時10兆ベクレル
■バズビー教授 8月17日 ロシア・トゥデイ 毎時10兆ベクレル
1分26秒〜1分30秒
もちろん 今すぐに全部を止めることは難しいでしょう
日本全体が 止まってしまうでしょうから
日本はそれほど 原子力発電に頼っていますからね
「日本全体が 止まってしまうでしょうから」ここだけ、博士の見解が違うように思います。
経産省などの原発推進派がいるために、今すぐに全部を止めることは難しいかもしれませんが、全部を止めることで、「日本全体が 止まってしまう」ことは起きないでしょう。原発が無くても電力は足りています。
2011年6月下旬に発表された、福島第一から放出されている放射性物質は、「1時間あたり10億ベクレル」という値でした。
8月17日には、「1時間あたり2億ベクレル(事故発生当時の1,000万分の1)」まで下がったと発表されました。逆算すれば、3月の事故発生当時は1時間あたり2000兆ベクレルの放出だったということになります。
しかし、放射線リスク欧州委員会(ECRR)のバズビー教授の8月17日のお話しでは、「1時間あたり10兆ベクレル」の放射性物質がいまだに出続けているということです。
これは、東電担当者が日本の首相に報告していたのを聞いていた人からの情報であるということです。
いづれの値が真実であるかは、わかりませんが、政府がこれまでに原発事故の被害を過小評価してきたことを考えれば、1000万分の1に下がったという発表を安易に鵜呑みにもできません。
確かに言える事は、福島第一原発からの放射性物質のばら撒きは現在も続いており、収束の目処は立っていないということです。
(2011.8.20)
[手に負えない原発]
■森林 除染手つかず 放置すれば汚染源に
■森林 除染手つかず 放置すれば汚染源に
福島第一原発事故で、住民が避難した警戒区域と計画的避難区域の大半を占める山間部の森林の除染は、手付かずの難題だ。専門家の間では「森林の除染は事実上不可能」との見方もあるが、放置すれば流れ出る水を通じ汚染源になり続け、住民の帰還の障害になる恐れがある。
共同通信が八月下旬、計画的避難区域で独自に線量を計測した際、民家が点在する福島県浪江町赤宇木の森林地帯で毎時約四〇マイクロシーベルト(地上一メートル)の最高値を観測した。線量は平地より山間部が高い傾向があった。政府が今月一日公表した線量分布でも、計画的避難区域の最高値は浪江町昼曽根尺石の森林地帯の毎時四一・三マイクロシーベルト(同)だった。
毎時四〇マイクロシーベルトが一年間続くと、一日十六時間は線量が低い屋内にいるとしても積算被ばく線量は二〇〇ミリシーベルトを超え、現在の避難の目安である二〇ミリシーベルトの十倍以上となる。京大原子炉実験所の今中哲二助教は「人が住める線量ではない」と指摘。「チェルノブイリ原発事故でも森林の除染は手付かずだった。除染は事実上不可能ではないか」と話す。
一方、安斎育郎立命館大名誉教授は「国の除染方針でも森林の優先順位は低いが、困難でも絶対に取り組まなければならない課題だ」と強調。森林の腐葉土を除去することで一定の除染効果が期待できるという。
放射線医学総合研究所の市川龍資元副所長も「放射性物質は木の葉に付着しやすく、葉が落ちてできる腐葉土に蓄積される傾向がある」と腐葉土除去の手法を支持。ただし「森林の除染は前例がなく、膨大なコストを伴うだろう。まず生活圏に近い森林から除染するしかない」と語る。
福島県は面積の71%が森林で、多くが山地だ。政府は八月二十六日に決めた除染基本方針で森林について「面積が大きく膨大な除去土壌等が発生する」と難しさを認めた上、腐葉土を除去すれば、保水など「森林の多面的な機能」が失われる恐れがあるとして「検討を継続」と事実上棚上げした。
東京新聞 2011年9月4日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011090402000020.html
森・川・海のつながりを重視した豊かな漁場海域環境創出方策検討調査報告書 概要版
森・川・海のつながりを重視した豊かな漁場海域環境の創出(イメージ図)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/05/050427_.html
水源地でもある森林が、汚染されています。その汚染水は、川に流れ込み海へ注がれます。
森が駄目になれば、川や海も駄目になります。
除染するのが好ましいのですが、具体策もなく放置された状態が続いています。
森、川、海の全ての生態系が放射性物質による影響を受けます。
[手に負えない原発]
■ヒマワリ(ひまわり)の除染効果は期待できるのか否か
■ヒマワリ(ひまわり)の除染効果は期待できるのか否か
ひまわり“放射性物質を除去”
東京電力福島第一原子力発電所の周辺でひまわりを栽培し、農地から放射性物質を取り除く実験を行っていた民間のグループが、8日記者会見し、土を分析した結果、放射性セシウムの濃度を最大で半分程度にまで引き下げる効果があったと発表しました。
実験を行ったのは、神戸にある理化学研究所の元研究員らで作る民間のグループです。福島第一原発の半径30キロ圏内にある南相馬市の4か所の畑でひまわりを栽培し、放射性物質を土から取り除く効果があるか調べました。専門の機関で分析した結果、放射性セシウムの濃度は、土1キログラム当たり栽培前に2117ベクレルだった場所で、栽培から2か月後には1680ベクレルと、20%減少していたということです。中には土1キログラム当たり1703ベクレルだったものが、757ベクレルと半分程度になった場所もあり、研究グループでは、ひまわりの栽培には放射性セシウムの濃度を引き下げる効果があったと発表しました。一方、放射性物質を吸収したひまわりは、土の中に埋めるしかなく、廃棄場所の確保が今後の課題だとしています。研究グループは、今後、さらに周辺の農家にも呼びかけてひまわりを栽培し、放射性物質を吸収する効果を定期的に確認することにしています。
NHK 2011年9月9日 10時22分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110909/k10015484921000.html
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農地除染 5000ベクレル超は表土除去 ヒマワリは効果薄
農林水産省は十四日、東京電力福島第一原発事故で放射性セシウムに汚染された農地から、セシウムを取り除く「除染技術」の実証試験結果を発表した。最も効果があったのは表土を削り取る方法で、セシウム濃度が75%以上低減した。ただ、削り取った残土の保管方法が大きな課題となる。ヒマワリを植えた試験では、土壌から吸収したセシウムは0・05%にとどまり、同省は「効果は小さい」と結論付けた。
農水省は二〇一一年度の予備費を使い、低濃度の一部農地で除染を行う予定。本格実施に向け、さらに試験を進めるための経費を第三次補正予算案に盛り込みたい考えだ。
試験は、五月下旬以降、福島県飯舘村と川俣町の計六カ所で実施した。表土約四センチを削った場合、土壌一キログラム当たり一万三七〇ベクレルあったセシウム濃度が二五九九ベクレルまで75%下がった。固化剤で表面を固めたり、牧草などの根と一緒に削った場合、三センチ削ることで各82%、97%の濃度低下がみられた。
農水省は、濃度が五〇〇〇ベクレルを超す地域では、表土を削り取る方法が有効とし、二万五〇〇〇ベクレル以上と高濃度の地域では、固化剤を使った五センチ以上の削り取りが適当としている。
ただ、濃度五〇〇〇ベクレル以上の農地は福島県内だけで約八千三百ヘクタールあり、その全体を削った場合、東京ドーム二〜三個分に当たる三百万トン以上の残土が発生する。
同省は「汚染された土からセシウムを分離することは難しい」と説明。残土を減らすためには、開発段階にある分離方法を実用化する研究が必要という。
また、ヒマワリの茎葉が吸収するセシウムは、一キログラム当たり五二ベクレルにとどまり、「現場への普及の段階にない」とした。
田に水をはり表層の土をかき混ぜて、泥水からセシウムを含んだ土を分離する試験では、セシウム濃度が36%低下。五〇〇〇〜一万ベクレルの場所では、三十センチ以上耕してセシウムを深い場所に埋める方法とともに有効としている。
東京新聞 2011年9月15日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011091502000023.html
農地土壌の放射性物質除去技術(除染技術)について
平成23年9月14日 農林水産省
http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/110914.htm
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民間グループによる実験結果
土 1キロ当たりの 放射性セシウムの濃度 (単位:ベクレル) |
ヒマワリの吸収量 キロ当たり (単位:ベクレル) |
備考 | |
ヒマワリを 植える前 |
ヒマワリを 植えた後 |
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2117 | 1680 | 437 | 植えてから2ヵ月後に計測 |
1703 | 757 | 946 | (同上) |
農水省よる実験結果
土 1キロ当たりの 放射性セシウムの濃度 (単位:ベクレル) |
ヒマワリの吸収量 キロ当たり (単位:ベクレル) |
備考 | |
ヒマワリを 植える前 |
ヒマワリを 植えた後 |
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7715 | 7663? | 52 | 1,067,820Bq/平方mの土壌で、 520Bq/平方mが、ひまわりに吸収された。 およそ2000分の1が吸収されたことになる。 |
効果的とする実験結果報告と、効果がほとんど無いとする実験結果。
両者の相違点は、何に起因するのでしょうか。さらに実験を重ねる必要があるように思えます。