[原発に破壊された経済]
■各国から輸入規制を受ける日本

福島の原発事故により、日本からの輸出品について、各国で輸入規制が行われるようになりました。たいへん屈辱的なことで すが、事故が起きて3ヶ月が経過した6月の時点でも、規制が行われています。規制の内容は、一律ではなく、相手国によって異なります。また、輸出品目に よっても違いがあります。

例えば、お隣の韓国では、日本の13都県の輸出品目に規制を実施しています。

韓国が指定する13都県:
福島県、群馬県、茨城県、栃木県、宮城県、山形県、新潟県、長野県、神奈川県、埼玉県、東京都、千葉県、静岡県

13都県で生産、製造された食品を輸入する場合、放射性物質が基準値以下であることを示す日本政府の証明書の提出が義務づけられています。

韓国からは、日本のこの13都県が、特に放射性物質による汚染がひどい地域であると、みなされているということです。汚染された土壌の除染作業が必要なのは、福島県だけではないということです。

汚染がひどい地域の各家庭に、ガイガーカウンターを配布し、各地域単位で除染作業を行うのが最良な方法だと思うのですが、そのようなことも行われていませ ん。ガイガーカウンターを持たない多くの人達は、自分が住んでいる地域の汚染度がどのくらいなのかさえ、分からない状況です。これでは、除染作業が行われ るわけもなく、事態が改善されることはありません。放射性物質は、自然にうすまるとか、そんなことにはなりません。除染せずに放置すれば、拡散する一方な のです。

原発事故が収束しない限り、規制が無くなることは無いでしょう。たった一度だけの大事故でも、国の経済を崩壊させかねない事態が続いているのです。被災し た火力発電所が次々に復旧していくのに、福島第一原発は、作業員の方々が自分の体を犠牲にして、被曝をしながら懸命な作業を続けているのに、いまだに収束 の目処がたっていません。電力を作るだけなのに、蒸気タービンを回して発電するだけなのに、何故、このような危険な原子力を使うのか、まったく理解できま せん。原子力発電を推進してきた人達は、このような取り返しのつかない大惨事をどのように受け止めているのでしょうか。猛省していただきたいと思います。

[原発に破壊された経済]
■出荷規制を受けるお茶


生産地 産地若しくは銘柄 放射性セシウム137の濃度
(1kgあたりのベクレル数)
茨城県 大子町 570
境町 894
千葉県 八街市 985.4
大網白里町 751.8
野田市 763
山武市 639
富里市 635
成田市 622
栃木県 板荷茶 890
黒羽茶 520
群馬県 渋川市 780
神奈川県 足柄茶 550〜570
(南足柄市の地域については
2011年8月29日出荷規制解除)
静岡県 葵区藁科地区の本山茶 679
(2011年8月5日
出荷自粛要請を解除)
伊豆市 379(暫定基準値以下)
清水区 138・77(暫定基準値以下)
東京都 西多摩郡瑞穂町 369(暫定基準値以下)
 武蔵村山市
あきる野市
瑞穂町
生葉ではなく、製茶3銘柄については
2011年10月18日に出荷自粛要請
製茶550〜690
埼玉県  狭山茶(生葉) 258〜468(暫定基準値以下)
 狭山茶(早摘み製茶) 生葉ではなく、早摘み製茶については
2011年9月6日に出荷自粛要請
製茶800〜1530
愛知県 岡崎市 157(暫定基準値以下)
安城市 10・6(暫定基準値以下)
設楽町 69・2(暫定基準値以下)
東栄町 165(暫定基準値以下)
安城市藤井町 36(暫定基準値以下)
西尾市吉良町 23(暫定基準値以下)
西尾市上町 未検出
お茶の生葉から「放射性セシウム137」の検出状況

当初、お茶についての検査は、生葉だけでしたが、その後、荒茶(※)についても検査が行われることとなりました。

※荒茶とは、茶葉が蒸熱、揉捻(じゅうねん)等の工程を経て乾燥した段階のもの

例えば、生茶葉でキロ当たり200ベクレルの汚染度だった場合、荒茶にすると水分が抜けるため、同じキロ当たりでもおよそ5倍の1000ベクレル程度の汚染度になります。
2011年6月1日、政府は生茶葉だけでなく、荒茶のキロ当たりの汚染度で出荷制限を判定することを決めています。

生茶でキロ当たり200ベクレルで暫定基準値以下なのでセーフであっても、
荒茶にした段階で1000ベクレルになればアウトということになります。



(関連記事)

放射性物質:群馬・桐生市産の荒茶からセシウム 回収要請

群馬県は29日、桐生市産の生茶葉を加工した荒茶から、国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える1010ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。
県によると、荒茶は同市内の製茶会社の工場から27日に採取したもので、200キロのうち既に100キロが販売済み。県は商品の回収と出荷自粛を要請した。
同市の茶葉生産組合には約100軒が加入しており、多くがこの工場に出荷している。
【鳥井真平】 毎日新聞 2011年6月29日 20時34分 http://mainichi.jp/select/science/news/20110630k0000m040078000c.html

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東京都板橋区立の3つの小学校児童が、茶摘の体験授業で摘んだ茶葉の製茶から
国の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を超える2700ベクレルの放射性セシウムが検出された。内訳は放射性セシウム134が1300ベクレル、 放射性セシウム137が1400ベクレル。板橋区が6月30日に発表したもので、製茶はすべて廃棄処分とする予定。

この結果を受け、区の職員が6月22日に同じ茶畑で二番茶を摘み、生茶葉を検査したところ、350ベクレルの放射性セシウムが検出され、この時は基準値を下回った。

問題の茶葉は、5月9日に、3つの小学校の4〜6年生298人が参加して、区内の茶畑で摘まれたもの。茶畑は体験専用で、茶葉は市場に流通していないため、出荷自粛の要請は行わない。


東日本大震災:板橋で製茶から放射性セシウム検出 国暫定規制値5倍超す /東京
毎日新聞 2011年7月1日 地方版
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20110701ddlk13040363000c.html

小学生の茶摘み体験の茶葉に放射性セシウム 東京・板橋
2011年6月30日23時59分
http://www.asahi.com/national/update/0630/TKY201106300742.html



2011年9月2日、 埼玉県産の製茶から暫定規制値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したことが発表されました。
埼玉県産の茶葉で暫定規制値を超えたのは初めてです。
国立医薬品食品衛生研究所が、8月上旬に購入した市販品の製茶を検査して判明しました。
同時に、千葉県産の製茶からも同2720ベクレルを検出したことが発表されています。


生産地 銘柄若しくは業者 産地 区分 検出された放射性セシウムの濃度
(1kgあたりのベクレル数)
埼玉県 「狭山 山出し
狭山茶」
日高市
高萩
一番茶
の製茶
1270
 「露むさし新茶」 鶴ケ島市
上広谷
1530
 川越市の業者 不詳 不詳 800
 入間市の業者 1240
千葉県  千葉市内の
業者が製造
長生郡
長柄町
製茶 2720


県産製茶で基準値超 放射性セシウム
埼玉新聞 2011年9月4日(日)
http://www.saitama-np.co.jp/news09/04/01.html


埼玉県産茶から暫定規制値超すセシウム
2011/9/3 1:47 日本経済新聞

 厚生労働省は2日、埼玉県産の3つの製茶から暫定規制値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したと発表した。埼玉県産の茶葉で暫定規制値を超えたのは初めて。国立医薬品食品衛生研究所が8月上旬に購入した製茶を検査したところ、同1530〜800ベクレルだった。千葉県産の製茶からも同2720ベクレルを検出し、同省は他県産をブレンドしていないか埼玉県などに調査を依頼した。

 同省は「製茶は通常、30倍以上に薄めて飲むため飲む状態では暫定規制値を下回る」としている。いずれも自治体による検査ではなく、同研究所が流通している商品を購入して調べる“抜き打ち検査”で判明した。千葉県産の製茶は5月に購入していたという。

http://www.nikkei.com/life/news/article/g=96958A9C93819695E2E0E2E68A8DE2E0E2EBE0E2E3
E39180EAE2E2E2;da=96958A88889DE2E0E3EAEAE7E6E2E0E3E3E0E0E2E2EBE2E2E2E2E2E2


製茶から規制値超セシウム、埼玉県が回収要請
(2011年9月3日21時24分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110903-OYT1T00630.htm?from=main6



県名 地域名 規制日 規制解除日
茨城県 全 域 2011年6月2日 -
栃木県 鹿沼市、大田原市 2011年6月2日 -
栃木市 2011年7月8日 -
群馬県 渋川市、桐生市 2011年6月30日 -
千葉県 野田市、成田市、八街市、
富里市、山武市
2011年6月2日 -
大綱白里町 2011年6月2日 2011年9月7日
勝浦市 2011年7月4日 -
神奈川 小田原市、愛川町、清川村、
真鶴町、湯河原町
2011年6月2日 -
相模原市 2011年6月23日 -
松田町、山北町 2011年6月23日 2011年9月12日
中井町 2011年6月27日 -
南足柄市 2011年6月2日 2011年8月29日


この表は、政府の原子力災害対策本部が、出荷制限を行ったり解除を行った分について掲載したものです。

お茶の出荷制限については、同じ地域で3か所以上検査し、すべてで暫定基準値を下回れば原則として解除できることになっています。

静岡県については、原子力災害対策本部は出荷制限をかけたり解除したりはしていません。
静岡県のお茶については、静岡県が工場単位で出荷自粛要請を行ったり、出荷自粛要請を解除することでコントロールしています。

埼玉県についても、原子力災害対策本部ではなく、埼玉県が出荷自粛要請を行っています。


県名 出荷の自粛要請について 出荷自粛
要請日(初日)
出荷自粛要請
解除日(最終)
静岡県 工場単位で出荷の自粛要請と
自粛要請解除を実施
2011年6月9日 2011年8月5日
埼玉県 早摘みのお茶について、
すべての業者に出荷の自粛を要請
2011年9月6日 -


厚生労働省
2011年8月29日
福島県の一部地域で産出されるユズに係る出荷制限の設定及び神奈川県の一部地域で産出される茶に係る出荷制限の解除について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001n8zx.html

上記のページの中の参考資料(PDF形式)(2011年8月29日現在)
厚生労働省 原子力災害対策特別措置法に基づく食品に関する出荷制限等
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001n8zx-att/2r9852000001n97i.pdf



静岡県については、葵区(あいおいく) 藁科地区(わらしなちく)の本山茶(ほんやまちゃ)が暫定基準値を超えていました。これについては、静岡県が工場単位で「出荷自粛要請」をしてきました。

2011年8月5日、静岡県は藁科地区の出荷自粛要請を解除しています。



二番茶の放射性物質 規制値下回る 藁科地区の6工場「安全」

静岡県は5日、一番茶が国の暫定規制値(1キログラム当たり500ベクレル)を超えて放射性セシウムが検出された静岡市葵区藁科地区の1工場で生産された二番茶を検査した結果、生茶、荒茶とも規制値を下回ったと発表した。県はこの工場への出荷自粛要請を解除した。

 これで、一番茶で規制値を超えた藁科地区の6工場について、二番茶の検査では生茶、荒茶ともすべてで規制値を下回った。

 今回の1工場の検査結果によると、放射性セシウムの検出値は生茶で42ベクレル、荒茶で184ベクレル。放射性ヨウ素は検出されなかった。

中日新聞 2011年8月6日
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110806/CK2011080602000136.html


(関連記事)
静岡県 茶の放射能調査結果
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-340/cha-housyanoukekka_h23.html




2011年9月6日 16時5分

厚生労働省の抜き打ち検査などで、埼玉県産のお茶から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが相次いで検出されたことから、埼玉県は放射性セシウムがたまりやすいとされる若い芽を摘んだ早摘みのお茶について、県内のすべての業者に出荷を自粛するよう要請しました。

厚生労働省の抜き打ち検査では、今月初め、日高市と鶴ヶ島市の業者が加工・販売していたお茶から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されました。埼玉県によりますと、その後、厚生労働省の検査で新たに川越市の業者のお茶から1キロ当たり800ベクレル、市民が持ち込んだ入間市の業者のお茶を調べた東京・小金井市の検査で1キロ当たり1240ベクレルと、いずれも国の暫定基準値の1キロ当たり500ベクレルを上回る放射性セシウムが検出されたということです。このうち少なくとも日高市と鶴ヶ島市の業者のお茶は放射性セシウムがたまりやすいとされる若い芽を摘んだ早摘みのお茶だったことから、埼玉県は県内のすべての業者に対し、安全が確認されるまで早摘みのお茶について出荷を自粛するよう要請しました。一方で、これまで埼玉県が行った検査では基準値を超える放射性セシウムは検出されていませんでしたが、これについて埼玉県は会見で、通常のお茶だけを検査対象とし、早摘みのお茶を検査していなかったことを明らかにしました。埼玉県は「これまでは流通量の多い早摘み以外のお茶の検査を優先していた」と説明したうえで「今後は早摘みのお茶を優先的に検査する」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110906/t10015415601000.html




毎日新聞 2011年9月27日 21時06分(最終更新 9月27日 21時55分

 埼玉県産ブランド茶「狭山茶」について県は27日、放射性物質を検査した18銘柄のうち4銘柄で国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を上回る放射性セシウムが検出されたと発表した。狭山茶については、厚生労働省の抜き打ち検査などで暫定規制値を超えるセシウムが検出されたため、同県は今月から全約2600銘柄の出荷・販売を自粛し、順次検査している。全銘柄の検査に踏み切ってから、結果が公表されるのは今回が初めて。

 県によると、規制値を上回った製造・販売元と銘柄は▽「寒川園」(日高市)の「秘園の銘茶」739ベクレル▽「新しき村」(毛呂山町)の「新しき村のお茶」1840ベクレル▽「吉澤園」(毛呂山町)の「煎茶1号」1322ベクレルと「煎茶3号」1360ベクレル。いずれも、シーズンの特に早い時期に摘み取った「若芽・早摘み」。4製品で合わせて約49キロが検査前に販売されており、県は3業者に回収を要請した。基準以下だった銘柄は販売自粛が解除される。

 県は5〜7月にかけて流通量の多い38検体を検査したが、規制値を超える製品はなかった。しかし、8、9月の厚労省の検査で800〜1530ベクレルのセシウムが検出された。検体はいずれも、セシウムがたまりやすいとされる「若芽・早摘み」で、県の38検体の検査対象には入っていなかった。【西田真季子】

http://mainichi.jp/select/science/news/20110928k0000m040111000c.html



埼玉県は12日、県内の狭山茶のうち高濃度の放射性セシウムが検出されやすい若芽・早摘みの365銘柄について、国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を下回っているかの検査結果を発表した。それによると、14銘柄から規制値を上回る510〜2150ベクレルの放射性セシウムが検出され、県は在庫の廃棄と店からの回収を業者に要請した。

 暫定規制値を下回った製品については、県は検査済みシールを配布して安全性を消費者に示した上で、出荷・販売の自粛要請を解除する。 

時事通信社 2011年10月12日(水)18時46分配信

http://news.nicovideo.jp/watch/nw128223





東京都は18日、武蔵村山市、あきる野市、瑞穂町で生産された製茶3銘柄から、国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超す1キロ当たり690〜550ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。

いずれも販売前だったが、都はこの銘柄を扱う事業者に対し、製茶全銘柄の出荷・販売の自粛を要請した。

(2011年10月18日20時39分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111018-OYT1T01054.htm


茶摘体験用であり販売用ではなかったのですが、板橋区の茶畑から作られた製茶から、キロ当たり2700ベクレルの放射性セシウムが検出されていました。これは2011年6月のことです。やはり、東京のお茶も汚染されてしまったようです。




放射能について正しく学ぼう
http://kingo999.web.fc2.com/index.html



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