[手に負えない原発]
■原発事故が収束しないのに、停止中の原発を再起動するのはおかしい
 

海江田万里経済産業相は「革新的エネルギー・環境戦略」の議論の中で、原発の再起動に全力を挙げると発言し、将来も原発を主要なエネルギー源とする姿勢を明確にしました。これは、まったく理不尽でおかしな話です。

福島第一原発の大事故は、未だに収束ができない状況です。地震や津波ではなく、放射性物質のせいで、故郷を追われ、避難を余儀なくされた方々がたくさんいるのです。その方達が、いつ戻れるかもわからないのです。そして、いまだに福島第一原発は、放射性物質を撒き散らし、大気汚染を現在進行形で行っているの です。

このような状況でありながら、原発の再起動に全力を挙げるとか、将来も原発を主要なエネルギー源とするというのは、どういう意味なのでしょうか?まったく理解できないことです。

原発は、大変危険な発電方式であることが、証明されたのです。これは、福島の前に、アメリカのスリーマイルや、旧ソ連のチェルノブイリでも実証済なのです。

・スリーマイルや、チェルノブイリの事故から学ぼうとしない(歴史から学ぶ姿勢の欠如)
・福島第一原発の、収束さえできない大事故から学ぼうとしない(経験から学ぶ姿勢の欠如)

歴史からも経験からも学ぶことができないとは、まったく愚かしい限りです。経産省や経団連が、原発を推進することを止めようとしないのは、国民の健康や生命よりも、原発の利権にしがみつき、自分の利益を優先する恥ずべき姿であると言えます。

蒸気タービンを回転させて発電をするだけなのに、1950年代に作られ陳腐化して危険な原子力の技術に固執するというのは、まことにおかしいことです。



出典:「原子力・エネルギー」図面集2011 5-1


 蒸気でタービンを回して発電するのは、火力も原子力も同じ。

  火力発電 : 石油・石炭・ガスをボイラで燃焼させ、蒸気を発生させる。熱効率は47%程度

  原子力発電 : ウランを原子炉で核分裂させ、蒸気を発生させる。熱効率は30%程度



程度の差はあれ、日本国民は、福島第一原発から出された放射性物質で、北海道から沖縄の人間まで、みな被爆をしてしまいました。さらに、生物濃縮された野 菜や海産物の全国流通により、外部被爆だけではなく、内部被爆もさせれらてしまうことが、行われているのです。

地震で被災をしても、火力発電なら復旧できます。ですが、原発は復旧できない事態に至ります。
津波で被災をしても、火力発電なら復旧できます。ですが、原発は復旧できない事態に至ります。
電源喪失をしても、火力発電なら復旧できます。ですが、原発は復旧できない事態に至ります。

どんなに、地震対策をしても、津波対策をしても、電源喪失対策をしても、「100%絶対に安全」などという対策は、有り得ないことです。「想定外」だと か、「想定不適当」といういい加減な言葉遊びで、「日本の原発は安全」と言い続けてきた発言を、正当化するのは、恥ずかしいことです。間違いは、間違いで あったと、素直に反省をすべきです。そのような反省もせずに、原発事故が収束もできないうちに、原発を再起動とは、どういう神経をしているのでしょうか? 原発事故の被災者の方々が、どんな思いでいるのかも理解できないのでしょうか。

放射性物質の影響で、輸出産業は大打撃を受けています。このような状況で、停止中の原発を再起動させるというのは、まったく理解不能なことです。経産省や 経団連は、放射性物質で被爆をしたせいで、日本国民も日本の産業も、大変な被害にあっていることを、正視すべきです。




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